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コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム、コンクリート構造物の補修・補強材料情報
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(3)塩害で劣化したRC床版の補修 (内部圧入工)

施工概要
対象構造物内陸部にある鋼橋RC床版
劣化状況コンクリートのひび割れ,鉄筋腐食
内在塩分による塩害
塩害の抑制方針①鉄筋腐食の抑制
補修工法の選定亜硝酸リチウム内部圧入工法(カプセル式)
1.着工前 - 劣化の状況

1.着工前 - 劣化の状況

・着工前は,床版下面にひび割れ,鉄筋露出が見られていた.
・コンクリート内部まで塩化物イオンが高い濃度で分布しており,内在塩分による塩害であることが明らかになった.


2.表面漏出防止工(ひび割れ注入)

2.表面漏出防止工(ひび割れ注入)

・亜硝酸リチウムの内部圧入時にコンクリート表面から漏出することのないように,幅0.2mm以上のひび割れに対し,超微粒子セメント系ひび割れ注入材を注入する.

【使用材料の例】
ひび割れ注入材 : アーマ#600


3.表面漏出防止工(表面シール)

3.表面漏出防止工(表面シール)

・同様に,幅0.2mm未満の微細なひび割れやコンクリート表面のジャンカ等に対し,ポリマーセメントモルタルにて表面シールを行う.

【使用材料の例】
表面シール材 : アロンカチオクリート


4.鉄筋探査工

4.鉄筋探査工

圧入孔の削孔時に既存の鉄筋を損傷させることのないよう,コンクリート全面の鉄筋探査を行い,鉄筋位置を把握する.


5.圧入孔削孔

5.圧入孔削孔

・亜硝酸リチウムの圧入孔として,ハンドタイプのダイヤモンドコアドリルにてφ10mmの削孔を行う.
・削孔長は100~150mm程度とする.
・削孔間隔は500mmを標準とする.


6.加圧パッカー設置工

6.加圧パッカー設置工

・全圧入孔に加圧パッカーを設置する.


7.リハビリカプセル設置工

7.リハビリカプセル設置工

・加圧パッカーにカプセル式圧入装置(リハビリカプセル)を設置し,圧入ホースと接続する.
・圧入ホースは分配機を介してコンプレッサーと接続する.


8.内部圧入工

8.内部圧入工

・全圧入孔に設計で求めた亜硝酸リチウム必要量を内部圧入する.
・圧入対象はコンリート表層部150~200mmとし,鉄筋かぶりに応じて設計する.

【使用材料の例】
浸透拡散亜硝酸リチウム : プロコン40


9.圧入孔充填工

9.圧入孔充填工

・圧入完了後,エポキシ樹脂または無収縮グラウト材にて圧入孔を充填する.


10.表面保護工

10.表面保護工

・コンクリート内部への劣化因子の侵入抑制のため,表面含浸工または表面被覆工による表面保護を行う.


11.施工完了

11.施工完了

・内部圧入工により,RC床版全体の鉄筋周囲に亜硝酸イオンが供給され,以後の鉄筋腐食が抑制された状態となっている.