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2017年10月27日 マンション再生現場見学会開く   建通新聞

青木茂と三井不動産

2017年10月27日 マンション再生現場見学会開く   建通新聞 | プレスリリース | 一般社団法人コンクリートメンテナンス協会 老朽化した建物の「リファイニング工事」に取り組む青木茂建築工房(渋谷区、青木茂代表)は、大田区にある林マンションの工事現場見学会を開き、築50年が経過したマンションを更に50年長寿命化する技術を公開した。三井不動産との共催。
 林マンションの規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ1049平方メートル。1966年の完成で検査済証のない既存不適格建築。緊急輸送道路(環状7号線)の沿道にあるため耐震補強が喫緊の課題となっていた。
 今回の工事の特徴の一つは、躯体の中性化対策に亜硝酸リチウムの内部圧入工法を採用した点。
 これは梁や柱に削孔して亜硝酸リチウムを2~3日かけて圧入し、コンクリートのアルカリシリカ反応(ASR)劣化の進行を抑制するとともに、鉄筋の不動態皮膜を再生しさびを止める再生工法。
 中性化したコンクリートはアルカリ性に戻らないものの「鉄筋を再生することで爆裂を防ぎ、躯体の強度を保つ」(青木代表)。施工を担当する福徳技研(本社・広島市)の徳納武使社長は「橋梁での施工実績は豊富だが建築物への応用は初めて。イオンが外部に逃げない限り、効果が永続する」と話す。
 耐震化では補強壁を新設し、廊下側の可部をアスロックに変更したり塔屋や庇を解体したりして軽量化。IS値0.6以上とする。この他エレベーターシャフトを拡幅し、間取りをニーズに合ったものに変更して2018年3月に完成させる。
 三井不動産レッツ資産活用部の宮田氏は「長寿命化のコストは新築と比べて7割、賃料は9割を見込む」と事業性の良さをアピール。グループ会社でサブリースするという。