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コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム、コンクリート構造物の補修・補強材料情報
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2017年05月15日 中建日報

コンクリート補修・補強フォーラム|JCMAと県コンクリ診断士会|広島会場に2日間延べ900人来場

2017年05月15日 中建日報|コンクリート補修・補強フォーラム|JCMAと県コンクリ診断士会|広島会場に2日間延べ900人来場 (一社)コンクリートメンテナンス協会(徳納剛会長)による「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2017~構造物の健康寿命を延ばすためのシナリオ~」が広島市内で10日と11日の2日間開かれ、恒例の全国フォーラムが今年も始まった。同会場を皮切りに8月まで全国13都市を行脚し、来場者見込みは延べ約6000人。最新知見に基づく補修技術や技術選定のポイントを伝える。
 広島会場には、2日間で発注者やコンサル、工事関係者など延べ約900人が参加した。
 主催者挨拶で徳納会長(福徳技研)は、「わが国の社会資本を支えるコンクリート構造物の老朽化、劣化は確実に進行しており、限られた予算でこれを維持するには構造物の健康寿命を延ばすしかない」と断言。「そのためには将来の維持管理に向けたシナリオが重要で、安易な補修による再劣化は避けなければいけないが、逆に残りの供用期間と経済性を考慮して必要最小限の費用とし、ある程度の再劣化を許容するシナリオもあるはず。われわれは定量的な補修工法と維持管理シナリオを総合的に評価することで、長寿命化と持続可能な社会の実現に寄与できると考えており、本日のフォーラムが将来像を見据えた補修設計にきっかけになれば」と述べた。
 フォーラムには、総勢13人の講師が登壇。中国地方整備局道路部の沢口俊樹道路情報管理官は、「社会資本のメンテナンスに関する取り組み」として、社会資本老朽化対策の背景や国のインフラ長寿計画、中国地方における取組内容や地方自治体支援体制などについて解説したほか、近未来コンクリート研究会代表の十河茂幸氏は、「予防保全で健康寿命を延ばす策」と題し、コンクリート構造物を人体に見立てて定期的な点検・診断と早期対応の重要性を強調。計画供用期間を想定した費用対効果の高い対応の必要性も説いた。
 また、1日目と2日目の両方に登場した同協会技術委員長の江良和徳氏(極東興和)は、「劣化機構に応じたコンクリート補修の基本的な考え方」をテーマに塩害・中性化などの劣化メカニズムの基本のほか、劣化機構に応じた補修工法選定の考え方を詳しく説明。後半の「亜硝酸リチウムを用いたコンクリート補修技術~塩害、中性化、ASRを中心に~」では、劣化症状の抑制等に効果がある亜硝酸リチウムを用いた補修技術について、表面含浸やひび割れ注入、内部圧入などの各工法の特徴や適用事例などを紹介した。
 このほか、広島工業大学・竹田宣典氏による「長寿命化構造物を造るシナリオとメンテナンス技術」、(一社)セメント協会・持田泰子氏の「すぐに役立つセメント系補修・補強材料の基礎知識2017」、日本ペイント販売・中丸大輔氏の「機能性塗料を用いた補修方法の提案」、日本エルガード協会・田中一弘の「電気防食技術の解説と応用」、大日本コンサルタント・小林大氏の「橋梁点検におけるドローンの未来」、CORE技術研究所・真鍋英規氏の「プレストレストコンクリートの維持管理」―など、多彩な講師陣が熱弁をふるった。
 次回会場は山口県。5月17日と18日の2日間、山口県健康づくりセンター(山口市吉敷下東)で開かれる。