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2015年09月10日 九建日報
構造物の補修技術講義|コンクリートメンテ協会
(一社)コンクリートメンテナンス協会(徳納剛会長)は8日、「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2015」を宮崎市の宮崎市民プラザで開いた。=写真=
今後、橋梁やトンネルなど高度経済成長期に作られたコンクリート構造物の高齢化が急速に進むことから、定期点検とその結果を踏まえた適切な補修による構造物の延命化が必要となっている。今年度最後のフォーラムとなる宮崎会場には約50人が参集、構造物の劣化要因や劣化の進行度合い、補修技術についての講義を受け知見を広めた。
「コンクリートの劣化と亜硝酸リチウムを用いた補修技術」について講演したASRリチウム工法協会の岡田繁之事務局長は、「個々の状況に応じて最適な補修技術、補修材料を選定することが重要」としたうえで、塩害や中性化、アルカリ骨材反応による構造物の劣化について事例を示しながら要因や補修工法を説明した。
このうち、塩害による劣化に関しては、「ひび割れが入った時点で対策を講じないと劣化が急速に進む」と繰り返し指摘し、鉄筋腐食のメカニズムや具体的事例を示した。
また、補修する際には、劣化因子の遮断と除去、鉄筋腐食の抑制を図ることが重要とし、亜硝酸リチウムを用いた補修方法などを紹介した。
このほか、高耐力マイクロパイル研究会の稲富芳寿理事が「厳しい施工条件に対応可能な抗基礎工法」、日本ペイント販売の中丸大輔氏が「コンクリート剥落防止と塗膜型剥落防止システム」について講演した。
フォーラムは、社会資本の維持管理に携わる技術者の技術向上と情報提供を図るため5年前から開催しているもの。今年度は全国18都市で開催し、4000人を超える申込みがあった。