コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム、コンクリート構造物の補修・補強材料情報
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Q&A|コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム、コンクリート構造物の補修・補強材料情報|JCMA・一般社団法人コンクリートメンテナンス協会
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マクロセル腐食の抑制・対策について

Q:断面修復時に補修コンクリートに亜硝酸リチウムを混入することにより腐食を抑制することが出来るそうですが、マクロセル腐食は抑制できるのでしょうか。またマクロセル腐食への対策は?
回答者:江良技術委員長
A:既往の研究によりますと、亜硝酸リチウムを用いた塩害補修工法を適用したコンクリートにおいてマクロセル腐食が生じたという報告はありません。
同様に、過去の施工事例におきましてもマクロセル腐食の発生は報告されていません。
断面修復材に混入された亜硝酸リチウムは、母材側へイオン拡散します。そのため、補修境界付近における亜硝酸リチウムの濃度は緩やかに変化することになります。そのため、マクロセル腐食の原因となる大きな電位差が生じにくいのではないかと推察しています。

亜硝酸リチウムの効果(防食)期間について

Q:亜硝酸リチウムの効果(防食)期間はどの程度でしょうか?
例えばライフサイクルコストの比較(例えば陽極材設置等の補修工法の比較)において、算定条件である「期間」や「コスト」を設定する必要があります。
回答者:江良技術委員長
A:現時点で評価可能な最長の追跡調査として、沖縄の塩害環境下における実構造物での自然暴露試験結果があります。この追跡調査では、塩害環境下で15年暴露しても、亜硝酸リチウムによる鉄筋抑制効果が持続していることが示されています。論文を添付しますので、ご参照ください。
回答日:2011年9月7日

塩害地域での新設工事における予防保全について

Q:防食機能の有効性を考慮すると、塩害地域での新設工事において、予防保全を踏まえてあらかじめ鉄筋に亜硝酸リチウムを塗布する方法も考えられますが、その方法は可能な方法でしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:技術的には十分可能ですし、効果も高いと考えています。
ただし、亜硝酸リチウムの材料単価が非常に高価であるため、コンクリート1m3あたりの単価が高騰するという難点があります。
想定する塩分量などにもよりますが、例えば塩化物イオン量3kg/m3相当の環境に耐えうる亜硝酸リチウム40%水溶液の必要量は11kg/m3程度となります。この量を練混ぜ水に置換することになりますので、単純にコンクリート1m2あたりの単価が29,920円アップしてしまいます(2,750円/kg)。
したがって、新設構造物での予防保全対策では、被覆やエポ鉄筋などの対策のほうが現実的だと思います。

中性化対策の概算工事費

Q:中性化に対する補修工法の概算工事費(直接工事費)をお教え下さい
施工面積が1000m2程度のRCアーチ橋、施工後75年ほど経過での一般的な工事費として。
1、表面被覆工法
2、含浸材塗布工法
3、断面修復工法(厚60mm)
4、電気化学的再アルカリ化工法
回答者:峯松積算委員長
A:・ご質問に対し、以下の通り回答いたします。
劣化要因:中性化
施工面積:1000m2程度のRCアーチ橋(施工後75年)
概算工事費(1m2あたり、材工、直接工事費、仮設費除く):以下の通り
”縮免鑛す法  9,000円/m2
含浸材塗布工法  4,000円/m2
C婆冥ど工法(厚60mm) 70,000円/m2(はつり含む)
づ典げ蹴愿再アルカリ化工法 90,000円/m2

・劣化要因が中性化の場合、
a)中性化深さが中性化残り10mm以上残っている場合
b)中性化深さが中性化残り10mm未満(もしくは鉄筋位置を超えている)で、鉄筋腐食が生じていない場合
c)鉄筋腐食が進行している場合
の3つのケースが考えられ、それぞれのケースで補修工法に要求される性能が変わってきます。

a)中性化深さが中性化残り10mm以上残っている場合
この場合は、以後の二酸化炭素の侵入を抑制すれば中性化による性能低下を阻止することが可能ですので、
”縮免鑛す法、表面含浸工法で十分な補修効果が期待できます。
予防保全的な適用となりますので、最も安価な表面含浸工法で良いと思います。

b)中性化深さが中性化残り10mm未満(もしくは鉄筋位置を超えている)で、鉄筋腐食が生じていない場合
この場合は、今後、鉄筋腐食が顕在化する可能性を秘めた状態であると言えます。
単なる劣化因子の遮断( ↓◆砲任肋来的に鉄筋腐食が生じることも想定しなけれななりません。
もしこのケースで ↓△鯏用する場合には、補修後のモニタリング、点検強化を併用することが重要です。
また、この場合はづ典げ蹴愿再アルカリ化工法を適用することも有効です。
鉄筋腐食が生じていない現段階で中性化領域を0に戻してしまえば、以後鉄筋が腐食する理由がなくなります。

c)鉄筋腐食が進行している場合
この場合は、既に中性化による鉄筋腐食が進行していますので、この段階で劣化因子の遮断( ↓◆砲簔羸化領域の回復(ぁ
を行っても手遅れです。補修効果は期待できません。
ここで適用できる工法は、上記の4案のなかではC婆冥ど工法しかありません。
コンクリートの全表面を鉄筋背面まではつりとって、全ての鉄筋表面をケレンし、防錆材を塗布して断面修復することで、十分な中性化補修となります。
コンクリートかぶりが脆弱化し、浮きはく離が広範囲に認められる場合にはこのC婆冥ど工法は有効です。
しかし、もしコンクリート表面が健全な範囲が多く残っている場合には、せっかくの健全なコンクリートを大量にはつりとることとなります。
コンクリート殻の産廃処分も必要となります。
そこで、『鉄筋腐食は進行しているものの、まだコンクリート表面が健全な範囲が多く残っている』場合に適用できる工法として、
グ‐忙瀬螢船Ε狷睇圧入工法(リハビリカプセル工法)をご提案します。

グ‐忙瀬螢船Ε狷睇圧入工法(リハビリカプセル工法) 40,000円/m2 NETIS:CG-120005-A
この工法は、コンクリートにφ10mm、L=100mmの削孔を行い、そこから鉄筋防錆剤として亜硝酸リチウムを内部圧入する工法です。
内部圧入によりコンクリート中を浸透した亜硝酸リチウムが鉄筋周囲に供給されると、鉄筋の不動態被膜が再生され、以後の鉄筋腐食反応は抑制されます。

ASRのひび割れパターン

Q:ASRの場合亀甲状のひび割れパターンであるとよく聞きますが、水平方向のひび割れが多いと思われますが、どうでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:鉄筋が入ったコンクリートの場合、鉄筋に沿ったひび割れが目立ちます。橋台や橋脚でよく見られるASRひび割れのパターンのひとつです。もちろん、亀甲状のひび割れが生じるケースも多数あります。両端が拘束されている場合、水平方向ひび割れが卓越することが多くあります。橋台と擁壁の事例を添付写真に示します。

塩害対策 海岸付近の塩害を受けた橋梁の断面修復

Q:「塩害対策として断面修復を行う場合,犠牲陽極材設置や亜硝酸リチウム混入等のマクロセル対策実際の基本方針を立案すること。」指示されています。海岸線からどの程度の範囲内であれば,犠牲陽極材を設置するのか?
回答者:江良技術委員長
A:さて、ご質問いただいた件、たいへん難しい問題だと思います。
なかなかズバッと回答する事ができませんが、私個人的な意見を述べさせていただきます。

まず、断面修復工に亜硝酸リチウムを併用する場合、
)瓢ペーストに亜硝酸リチウムを用い、一般的なポリマーセメントモルタルで修復する
∨瓢びペースト、ポリマーセメントモルタルともに亜硝酸リチウムを混入する
の2パターンがあります。

浮きはく離箇所の断面修復工では通常,離院璽垢濃楾することが多いのですが、
マクロセル腐食抑制効果までを設計時にきちんと考慮する場合には△鯀択されることもあります。
はつり箇所の鉄筋防錆だけであれば,能淑ですが、マクロセル腐食を抑制するためには、修復部から母材部へと亜硝酸リチウムを浸透拡散させる必要がありますので、修復材にも高濃度の亜硝酸リチウムが必要になるからです。

ここで、断面修復部に犠牲陽極材を設置し、適切に機能している場合には、不動態皮膜が破壊されたままの状態であっても電気化学的には鉄筋腐食進行は生じませんので、亜硝酸リチウムとの併用までは不要かもしれません。

ということは、マクロセル腐食抑制を考慮した断面修復工は、
・亜硝酸リチウム
・断面修復部に犠牲陽極材を設置
のいずれかでよい、という事になります。
効果の優劣は、公平な比較データがありませんので一概に言えません。
経済性では犠牲陽極材を設置したほうが高価になりそうです。
ご参考までに、断面修復工の比較表サンプルがありますのでお送りします。

福田さんの論文は私もよく引用しますし、実際に沖縄の暴露供試体のはつり作業に同行したこともあります。
あれだけ過酷な沖縄の塩害環境にも関わらず、ポリマーセメントモルタルの断面修復材と表面被覆で覆われていることで補修後の塩化物イオン浸入は十分抑制されていたと感じました。

以上です。
なかなか、「塩害対策として断面修復を行う場合,犠牲陽極材設置や亜硝酸リチウム混入等のマクロセル対策実際の基本方針を立案すること」というお題は容易ではありませんね。

鉄筋腐食した構造物の鋼板接着の構造計算について

Q:コンクリートの中性化やクラックによる「鉄筋の腐食」について、その評価をどのように考えれば良いのかという点です。 構造計算上は、コンクリートと鉄筋が一体となって機能を発現するものと考えておりますので、講演の中でもありましたが、鉄筋が腐食劣化したまま構造物の上から補強するという構造計算上の考え方について教えて頂ければと考えております。 鋼板巻き立ての場合は、単純に鉄筋で持たせる耐力を鋼板に置き換えるというものでしょうか(内部鉄筋の力は無視する?)。 腐食した鉄筋は交換しない限り元の能力を回復できないものと考えております。
回答者:江良技術委員長
A:まず,巻き立てる鋼板の取り扱いですが,巻き立てる鋼板と既存躯体の間がエポキシ樹脂や無収縮モルタル等で一体性が確保されていれば,通常のRC計算における主鉄筋に置き換えて耐力計算を行うことができます.また,腐食した内部既存鉄筋ですが,ご指摘のように,腐食した鉄筋は無視して,すべて新たに付け加える鋼板で受け持たせると計算することは安全側の耐力評価になります.ただし,腐食しても完全に鉄筋が消失していなければ,実質は引張力を幾らかは負担できます.この分を考慮に入れたい,すなわち巻き立てる鋼板の量を少しでも少なくしたい,という場合,部材中の腐食の最も激しいと見受けられる部分で,数か所かぶりをはつり,鉄筋の腐食の程度を調査します.その結果,例えば,鉄筋の断面が50%くらい消失していたとすれば,既存鉄筋の効果を設計当初の半分の断面積に低減して計算するという考えもあります。

有機系材料 無機系材料の使い分けについて

Q:注入工法,表面保護工の材料に無機系と有機系が有りますが、使い分けどうしていますか。
回答者:江良技術委員長
A:・亜硝酸リチウムとの併用、という観点から、無機系材料を選定しています。
・補修材としての亜硝酸リチウムは40%濃度の水溶液ですので、水溶液と併用できる補修材料でなければなりません。
・ひび割れ注入工法で亜硝酸リチウムを併用する場合、亜硝酸リチウム水溶液を先行注入した後にひび割れ注入材を本注入します。つまり、ひび割れ注入材を注入する時には必ずひび割れ内が湿潤状態となっているということです。
・無機系注入材はひび割れ内をプレウエッティングして施工するものですので問題ありませんが、有機系の注入材は基本的に濡れた面での付着性、硬化性は低下します。
・よって、亜硝酸リチウム先行注入の後は無機系注入材(超微粒子セメント系注入材)を本注入します。
・表面被覆工法で亜硝酸リチウムを併用する場合、亜硝酸リチウム水溶液を塗布した後に亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルを塗布します。つまり、被覆材の主材に亜硝酸リチウム水溶液を混入して使用することになります。
・有機系被覆材に溶体を混ぜる事は不可能ですので、必然的に無機系材料との組合わせとなります。

塩害とASRの複合劣化について

Q:塩害とASRの複合劣化の場合の対策工法を教えてください。
対策工法比較検討の条件としては、
・橋台、橋脚ともASRと塩害の複合劣化
・ASRの残存膨張量はほとんどない。
・塩化物イオン濃度は高い
・ただし鉄筋腐食はほとんど進行していない
回答者:江良技術委員長
A:これらを考慮して、主として将来的な鉄筋腐食抑制を目的とした亜硝酸リチウムを用いた補修工法を検討した結果、「亜硝酸リチウム+ケイ酸リチウム表面含浸工」が最も効果的だと判断します。
工法名はプロコンガードシステムです。
内部圧入工まで適用することも当然望ましいことですが、せっかく鉄筋腐食が顕在化する前に対処できるタイミングですので、まずは表面含浸工法を適用すべきです。
鉄筋腐食が顕在化するよりも亜硝酸リチウムの到達のほうが早ければ、防錆効果が発揮されます。
なお、ひび割れ注入工にも亜硝酸リチウムを併用することにより、より効果が向上すると思われます。
こちらはリハビリシリンダー工法となります。

塩害に対してリハビリカプセル工法の応用

Q:塩害対策としてリハビリカプセル工法で補修した構造物には、 亜硝酸イオンが永久的に残存して鉄筋腐食を抑制するのでしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:コンクリート中の塩分量に応じて適切に亜硝酸リチウムを内部圧入すれば、亜硝酸イオンによる鉄筋腐食抑制効果は将来的に持続します。
その効果が将来的に持続するための条件が、「塩化物イオン量」と「亜硝酸イオン量」とのイオンバランスが崩れないことです。
かぶり範囲内の最大塩分量に対して設計圧入量を決めていますので、既に侵入している塩分が将来的に拡散しても、十分な亜硝酸イオンが存在していますので、鉄筋腐食は抑制されます。
例えば、残り50年供用すると考えた場合のランニングコストとしては、定期的に表面保護工を計上するのみでよろしいでしょう。
将来的に外来塩分が侵入してくる環境の場合,現在の含まれる塩分量で亜硝酸リチウム量を決めても、将来的に新たに塩分侵入を許せば、上記のイオンバランスが崩れる可能性があります。
それを防ぐために、表面保護工を健全な状態で維持するためのランニングコストがかかります。
それが定期的な表面保護工の再補修です。
したがって、定期的な表面保護工を計上するだけで、以後の鉄筋腐食進行は抑制することができます。

中性化と塩害の複合劣化の補修検討について

Q:仮定として
・中性化は鉄筋位置まで到達している。
回答者:江良技術委員長
A:【劣化予測】
中性化で劣化予測が可能なのは、ルートt法による「中性化深さの進行予測」です。
しかし、既に中性化深さが鉄筋位置まで到達している場合、この予測を行う意味はありません。
中性化深さが鉄筋位置まで到達した後は「鉄筋腐食の進行予測」となりますが、鉄筋腐食を数値的に予測する手法はありません。概念的なものです。
すなわち、今後は腐食が進行することを前提として補修工法を選定するしかありません。

塩害で劣化予測が可能なのは、Fickの拡散方程式による「塩化物イオン拡散予測」です。

これによって、鉄筋位置の塩化物イオン濃度が腐食発生限界を超えるまでの期間(時間的余裕)を予測します。
しかし本構造物では既に鉄筋位置での塩化物イオン濃度が限界値を大幅に超えており、この予測を行う意味はありません。
塩化物イオン濃度が限界を超えた後は「鉄筋腐食の進行予測」となりますが、鉄筋腐食を数値的に予測する手法はありません。概念的なものです。
すなわち、今後は腐食が進行することを前提として補修工法を選定するしかありません。
【補修工法選定の考え方】
主たる劣化は塩害ですので、塩害対策として比較検討して問題ありません。
ここで、まず部分的にコンクリートの浮き、はく離、鉄筋露出している箇所の対処を考えます。
このような場所をそのままにするわけはありませんので、必ず断面修復します。
これは脆弱部だけをはつり取り、ポリマーセメントモルタルで修復する「部分断面修復」です。

次にかぶりコンクリートが健全な部分についての対処を考えます。
塩化物イオンが腐食発生限界を大幅に超えていますし、実際に著しい鉄筋腐食が見られます。
すなわち、現時点でかぶりコンクリートに浮きやはく離が生じていなくても、そうなることは時間の問題ということです。
となると、ここで鉄筋腐食を抑制しなければなりません。これが最も重要な要求性能です。
このことを念頭において比較検討します。
比較検討の対象として以下のような案が挙げられます。
|Ρ工法 (塩分を除去して腐食環境を改善する)
電気防食工法 (鉄筋腐食そのものを抑制する)
0‐忙瀬螢船Ε狷睇圧入工 (鉄筋腐食そのものを抑制する)
ど縮免鑛す (劣化因子を遮断して腐食環境悪化を抑制する)
チ潅婆冥ど工 (塩分を除去するとともに鉄筋に防錆処理を施す)
上記5案について、構造物への適用性を検討してみます。
,牢に著しい鉄筋腐食が進行しているため、この時点で塩分を除去しても手遅れです。腐食はとまりません。
△蝋学的に最も信頼性が高く、構造形式的に適用可能であれば効果が高いといえます。
も△汎瑛佑量榲ですが、適用可能な塩化物イオン量が10kg/m3までです。
い牢に著しい鉄筋腐食が進行している場合、この時点で劣化因子の侵入を遮断しても手遅れです。腐食はとまりません。ただし初期コストは最も安価ですので適用する価値はあります。もちろん適用する場合には再劣化を想定した再補修計画を立案する必要があります。
イ老鯀瓦覆ぶりコンクリートをすべてはつり落とし、鉄筋に防錆材を塗布して断面を修復する全断面修復となります。修復深さが大きいため費用はかかります。

ASRリチウム工法(亜硝酸リチウム高圧注入)におけるひび割れ注入材について

Q:以前にエポキシ樹脂は材料分離すので合わないとききましたが、これが書いてある文献がありましたら抜粋を送付お願いします。
回答者:江良技術委員長
A:圧入に先立ってひび割れ注入するときの注入材の件でしょうか。
ひび割れ注入材にエポキシ樹脂を使うと、その箇所が樹脂のカーテンを形成することになります。
その後の内部圧入工の際に亜硝酸リチウムの浸透を阻害する原因となりうるため、できるだけ樹脂系のひび割れ注入材を使用しないようにしています。
ただし、これはどこにも記載されておらず、材料特性を考慮した設計上の判断の範疇となります。

リハビリ被覆工法における上塗り材料について

Q:表面保護工は高分子系含浸材ですが他の材料は不可でしょうか。これについても文献がおりましたら抜粋を送付お願いします。
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウム内部圧入後はどうしてもコンクリート表面にも亜硝酸リチウムで濡れた状態となります。
その上に重ねる施工となりますので、表面保護材には亜硝酸リチウムとの相性を考慮する必要があります。
これも特に文献に記載されているわけではなく、工法開発過程の経験で選んでいます。

材料の相性を確認している材料として、以下の2種類があります。
表面被覆材:高分子系浸透性防水材(アイゾールEX)
表面含浸材:ケイ酸リチウム系含浸材(プロコンガード)
塩害対策の場合には、劣化因子の遮断効果がより高いアイゾールEXを提案することが多いのですが、
もしコンクリート表面の外観を変えずにモニタリングしやすい状態とするならばプロコンガードを使用する手もあります。

リハビリカプセル工法の防錆効果の持続性について

Q:塩害対策としてリハビリカプセル工法で補修した構造物には、亜硝酸イオンが永久的に残存して鉄筋腐食を抑制するのでしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:コンクリート中の塩分量に応じて適切に亜硝酸リチウムを内部圧入すれば、亜硝酸イオンによる鉄筋腐食抑制効果は将来的に持続します。その効果が将来的に持続するための条件が、「塩化物イオン量」と「亜硝酸イオン量」 とのイオンバランスが崩れないことです。
補修設計において、かぶり範囲内の最大塩分量に対して設計圧入量を決めていますので、既に侵入している塩分が将来的に拡散しても、十分な亜硝酸イオンが存在していますので、鉄筋腐食は抑制されます。

リハビリカプセル工法の防錆効果を維持するために

Q:残り50年供用すると考えた場合のランニングコストとしては 10年ごとに表面保護工を計上するのみでよろしいでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:将来的に外来塩分が侵入してくる環境場合、現在の含まれる塩分量で亜硝酸リチウム量を決めても、将来的に新たに塩分侵入を許せば、上記のイオンバランスが崩れる可能性があります。それを防ぐために、表面保護工を健全な状態で維持するためのランニングコストがかかります。それが10年毎(目安)の表面保護工の再補修です。
したがって、10年ごとに表面保護工を計上するだけで、以後50年(目安)の鉄筋腐食進行は抑制することができます。

ASRリチウム工法の適用について

Q:RC中空床板橋のASRリチウム工法の適用について
回答者:江良技術委員長
A:構造的にやや適用しにくい対象ではあります。
下面で多数のひび割れが入っていると、おそらく中空ボイドに繋がるひび割れも多数存在するはずです。
下面から削孔して亜硝酸リチウムを圧入した際に、そのひび割れを通じてボイドへ逃げられる可能性が高いです。
そのときは削孔し直してボイドへの漏出を防ぐ対処を行いますが、桁のボイド間で鉄筋をよけて削孔できる位置が極めて限定されるので、不安はあります。
橋台背面や上部工横桁など、漏れを防げない構造でも圧入していますので不可能ではありませんが、程度問題ということでしょうね。

このような不安要素はありますので、発注者へこのことをご理解いただいたうえでASRリチウム工法をご採用いただければ幸いです。
ASRリチウム工法を適用したあと、その効果がきちんと発揮されているかどうかを経過観察するところまでご提案いただいたほうがよいかもしれません。
ただ、劣化状況からみて、他の工法では対応できないことは確かです。
ASRリチウム工法が最も可能性の高い工法、という位置づけだと思います。

ASR対策工法について

Q:ASRで劣化した防波堤の補修検討について教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:圧縮強度、引張強度、弾性係数の低下から、明らかにASRの影響がみてとれます。
弾性係数の低下が大きく先行し、それを追いかけるように圧縮強度、引張強度が低下し始めている状況だと考えられますので、今後もその傾向がさらに進行すると予測されます。
すなわち、促進膨張試験を実施していなくても、今後のASR膨張はさらに進行すると将来予測が立ちます。

プロコンガードの耐用年数について

Q:中性化での、プロコンガード耐用年数はどれくらいですか?
回答者:江良技術委員長
A:一般的に表面含浸工法の耐用年数は5年〜7年程度と言われることが多いのですが、明確な根拠はありません。
本橋の劣化機構は中性化であり、現時点での変状が軽微であることから、プロコンガードシステムによる延命効果は高いと判断できます。
少なくとも今後の二酸化炭素、酸素、水分の侵入が低減され、鉄筋の腐食環境も改善されるはずですので、中性化による鉄筋腐食進行は抑制されます。
もともと中性化による性能低下の速度は塩害などに比べて緩やであることも考慮して、おそらく今後10年程度は補修効果が持続した状態を維持できると思います。
以上は推論にすぎません。施工後の追跡調査で効果を確認していく必要があります。

中性化のどの段階で亜硝酸リチウムは有効か

Q:中性化の対策で亜硝酸リチウムを検討する場合、中性化の劣化が進行する過程のどの段階で有効でしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:中性化対策としての亜硝酸リチウムの使い方は、「表面含浸」「表面被覆」「ひび割れ注入」「内部圧入」「断面修復」があります。
中性化の劣化過程に応じて効果的な使い方があります。
潜伏期(中性化残り10mm以上)・・・ 表面含浸工法
進展期(中性化残り10mm未満、鉄筋腐食開始)・・・ 表面含浸工法、表面被覆工法
加速期(鉄筋腐食によるひび割れ発生)・・・ ひび割れ注入工法、内部圧入工法
劣化期(コンクリート剥離、剥落)・・・ 断面修復工法
それぞれの工法の概要を添付資料「亜硝酸リチウムを用いた塩害・中性化の補修.pdf」に示します。
ご参照ください。

延命期間の予測

Q:亜硝酸リチウムを使った工法を施すことによりどの程度の延命措置となるか予測する事は可能でしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:残念ながら定量的に予測する手法はありません。
ただ、表面含浸、表面被覆などは、単なる劣化因子の遮断だけにとどまらず、鉄筋腐食の抑制効果まで考慮できる工法になりますので、従来工法よりも延命化を図れることは確かだと言えます。

亜硝酸リチウムを使った中性化対策の施工費

Q:概算のm2単価など教えていただく事は可能でしょうか?
回答者:峯松積算委員長
A:以下の工種の標準歩掛を添付します。
・表面含浸
・表面被覆
・ひび割れ注入
・断面修復

内部圧入工法だけは標準歩掛で表現できないため物件毎に見積りとなります。
過去の事例で言えば、50,000〜80,000円/m2程度になることが多いです。

湿潤面被覆材について

Q:下記の条件での表面被覆材料はありますか?
・干満で施工時間が短い。
・常に下地が湿潤状態である。
・常時紫外線にあたる状況である。
・防水性能を必要とする。
・塗材である。
・紫外線劣化について大丈夫でしょうか?
・耐久性はどの程度でしょうか?
回答者:田島ルーフィング株式会社 福田杉夫開発部長
A:湿潤用エポキシ防水材(RVウエットメント)は下地が湿潤状態で塗布できる、接着性能が高い材料です。二液型のエポキシ樹脂ですので、塗布後、水没しても硬化はします。本来エポキシ樹脂は紫外線に弱いですが、上塗材料が耐紫外線硬化があります。
ウェットメント工法では、耐候性、耐久性は、トップコートのVTコートで付与します。
VTコートは、耐久性、耐候性に優れたアクリルウレタンのトップコートです。
曝露環境にも充分な耐久性を有しています。
あくまでの標準的な耐久性ですが、10年は期待できます。
また、VTコートを定期的に塗り替えることにより、さらに、RV(ウエットメント)工法の耐久性を伸ばすことは可能と考えています。

リハビリカプセル工法の中性化への適用について

Q:中性化対策でリハビリカプセル工法は使えますか?
回答者:江良技術委員長
A:まずは工法選定の参考として、以下の4案を比較します。
〆謄▲襯リ化工法
∩潅婆冥ど工法
リハビリカプセル工法
ど縮免鑛す法

上記4案のうち、〆謄▲襯リ化は施工実績が乏しく、あまり現実的ではありません。

い良縮免鑛す法は、既に鉄筋腐食が進行している場合には早期に再劣化します。あまり効果が望めません。
鉄筋腐食を抑制するためにはA潅婆冥どかぅ螢魯咼螢プセル工法となります。
供用中のコンクリート断面を全範囲はつるのは安全性の観点から推奨できません。それに経済性にも劣ります。
かぶりコンクリートが爆裂していない状況であれば、リハビリカプセル工法が最適だと考えられます。

リハビリカプセル工法の概算工事費は、コンクリート強度などによって変わりますので、比較表中の単価は目安程度としてください。
一般図、試験結果等を資料をご提示いただければ、概算の工事費を算出いたします。
また、比較検討の結果、本工法をご採用いただける場合は、圧入仕様設計、補修図、数量、工事費を作成させていただきます。
ぜひともご検討いただきますようお願い申し上げます。
※比較表等必要な場合は事務局にお問い合わせください。

亜硝酸リチウムと炭素繊維シートの併用について

Q:亜硝酸リチウムの内部圧入工法(補修)と炭素繊維シートの補強は併用可能でしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:内部圧入工と炭素繊維シート接着工法の併用は可能です。
併用の実績もあります。
亜硝酸リチウム塗布後の表面に炭素繊維シート用の接着剤が接しますが、接着剤はほぼエポキシ樹脂系ですので、亜硝酸リチウムとの相性はよいです。
きちんと硬化します。

亜硝酸リチウムの濃度について

Q:亜硝酸リチウムを表面に塗り、イオン拡散することで鉄筋の防錆を狙いたいのですが、40%水溶液のため、塗る量を仮にモル比で1:1にすると量が多くなります。
亜硝酸リチウムの原液塗布はだめなのでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウムは40%が限界濃度ですので、これ以上高濃度では存在できません。
従いまして、水溶液状の亜硝酸リチウムはこの40%水溶液が原液という位置づけになります。

亜硝酸リチウムの塗布に関して

Q:技術資料では亜硝酸リチウムの塗布量を0.3kg/m2と設定されてますが(物理的に塗布可能量)
2度塗りであれば(24時間間隔で)更なる塗布は可能でしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:標準的な施工仕様からは逸脱いたしますが、2度、3度と塗り重ねることは可能です。
ただし、構造物によっては2層で0.3kg/m2、4層で0.6kg/m2というわけにはいかず、層を重ねるたびに1層あたりの塗布可能量は減ります。
亜硝酸リチウムの付着量は減少するとおもわれます。
具体的にどれだけの量が塗布可能かは、対象コンクリートの強度、密実度、含水状態などに左右されます。塗り重ねで1.0kg/m2塗布した現場もあります。
もし可能であれば試験的に塗布試験を実施することを勧めます。
その結果を基にして、塗布量と施工歩掛を検討することも必要と思います。

亜硝酸リチウムを使った表面保護工法について

Q:亜硝酸リチウム塗布後の表面被覆ですが、塗料系(高分子系)が良いのかケイ酸リチウム系含浸材が良いのか悩んでいます。耐久性の観点からはどちらが有利でしょうか。
またシラン系含浸材は相性が悪いのでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:高分子系浸透性防水材とケイ酸リチウム系含浸材を比較すると、
・劣化因子の遮断性では塗料系のほうが勝ります。
・材料そのものの耐用年数はいずれも15年程度で同等です。
・15年後に再補修する場合、塗料系は塗膜撤去費用が追加で必要となりますが、含浸系では不要です。
・美観性は補修直後は塗料系のほうが勝りますが、経年劣化とともに美観性が低下します。
・それに対し含浸系は外観を変えませんので、美観性の経年変化がありません。
・補修後のモニタリング、経過観察は含浸系の方が容易です。
このように、それぞれ得失がありますが、塩害リスクのある壁高欄の予防保全的な適用と考えると、ケイ酸リチウム系含浸材のほうが適用性が高いと思います。

シラン系含浸材は、保水性が高い亜硝酸リチウムと組み合わせた場合、撥水性能が発揮できないので、効果はありません。

ASRリチウム工法(油圧式亜硝酸リチウム高圧注入)

Q:浸透確認試験の検証評価手法について教えてください。
評価手法に関する具体的な規定や規準はありますか。(コアサンプル採取の考え方:コアの数量や口径など)
回答者:江良技術委員長
A:・浸透確認試験に関する規定や基準は特に設けておりません。
・呈色試験のためとはいえ補修工事が完了した構造物への削孔の影響はできる限り少なくすべきとの観点から、コアの径は20mm(自立するコアの最小径)としています。コアサンプル採取数も、施工機械1台あたり1箇所程度を標準としています。

ASRリチウム工法の亜硝酸リチウム拡散確認

Q:検査結果判断を、「試験液で茶褐色に変色したので合格」としたのですが、他に具体的な判断内容はありませんか。(文献等ありますか)
回答者:江良技術委員長
A:・呈色反応試験において、着色度合いと浸透量との関係を明確に定めた基準(例えば色見本のようなもの)は設けておりません。
・過去の試験においても、今回同様、「試験液で茶褐色に変色したので合格」という判断をしています。
・呈色反応試験の結果はあくまで定性的な評価ですので、現時点では厳密な評価基準などを設定するのが難しいというのが協会の見解です。
・ちなみに、この呈色反応の度合と亜硝酸リチウムの含有量との関係に関する文献として、「リチウムイオン内部圧入によるASR抑制効果に関する研究(2010年3月 江良和徳 学位論文)、p.95〜104」が挙げられます。
・該当箇所をメール添付いたしますので、ご参照ください。

ASRリチウム工法 亜硝酸リチウム浸透確認試験

Q:コアサンプルの長さについて
コアサンプルの長さは20cmでしたが、問題ありませんか。(180cmの削孔に対して20cm)
回答者:江良技術委員長
A:・内部圧入工の施工において、亜硝酸リチウムの浸透が最もしにくい範囲が、「コンクリート表層部」です。
・したがって、最も浸透の得られにくい表層20cmのコアで呈色が得られた場合には、それ以深も呈色するであろうと判断します。
・これも、構造物への削孔を最小限とするための配慮です。

リハビリカプセル工法の概算工事費

Q:リハビリカプセル工法の概算工事費 m2単価を教えてください
回答者:峯松積算委員長
A:50,000〜70,000円/m2程度です。(カプセル式内部圧入、塩害対策)
柄院外の場合、塩化物イオン量(亜硝酸リチウムの必要量と工期に影響)、圧縮強度(工期に影響)によって変わります。

リハビリカプセル工法の削孔径と深さについて

Q:小径削孔は可能でしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:標準でφ10mmで深さ200mmまで可能です。
200mm以上の深さの場合は相談ください。

水没部での表面保護工法

Q:干満帯での使用について
亜硝酸リチウムを使った表面保護工法は干満帯での使用可能は可能でしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:湿潤面用エポキシ樹脂防水材 RVウエットメント
・「亜硝酸リチウム」+「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントペースト」+「高分子系浸透性防水材」の仕様そのままでは干満帯での潮待ち施工は難しいです。
・まず、亜硝酸リチウムを塗布しただけの状態で水没させられません。
・さらに、高分子系浸透性防水材は硬化前に水没すると硬化阻害もしくは付着低下が生じます。
・高分子系浸透性防水材は水中での耐久性が担保できません。
・したがって干満滞で適用可能な表面被覆材を使用する必要があります。
・その材料として、RVウエットメントをご提案します。
・この材料を使用した場合、「亜硝酸リチウム」+「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントペースト」+「RVウエットメント」という組合わせになります。

RVウエットメントの特徴は
・湿潤面での接着性能が良いので、干潮時の短時間で施工できる。
・塗布後水没しても水中で硬化する。

新設コンクリートに亜硝酸リチウムの応用

Q:新設コンクリートに亜硝酸リチウムを混合
・新設の場合長寿命化対策としての亜硝酸リチウムの活用事例
・水溶液をコンクリートに混合させた事例,鉄筋に塗布する工法を知りたい
回答者:江良技術委員長
A:・新設構造物のコンクリート打設段階で亜硝酸リチウムを使用することは技術的には十分可能ですし、効果も高いと考えています。
・おっしゃるとおり、亜硝酸リチウム水溶液をコンクリートに練混ぜることで、鉄筋腐食しにくく、ASR膨張も生じない高性能なコンクリートとすることができます。これらは実験室レベルでは効果が確認されています。
・ただし、亜硝酸リチウムの材料単価が非常に高価であるため、コンクリート1m3あたりの材料単価が高騰するという難点があります。
・想定する塩分量などにもよりますが、例えば塩化物イオン量3kg/m3相当の環境に耐えうる亜硝酸リチウム40%水溶液の必要量は11kg/m3程度となります。この量を練混ぜ水に置換することになりますので、単純にコンクリート1m2あたりの単価が33,000円アップしてしまいます(3,000円/kg)。
・したがって、新設構造物での予防保全対策では、塩害対策としてはエポキシ鉄筋の使用、ASR対策としてはフライアッシュや高炉スラグ微粉末などの混和材の使用のほうが現実的だと思います。

内在塩分が高いPC中空床版橋梁の補修について

Q:海砂利用と思われる高濃度の塩化物イオンが内在するPC中空床版橋梁の補修について
海砂利用と思われる高濃度の塩化物イオンが内在する橋梁の補修計画を立案しております。
もし可能であれば、考え方等、ご助言いただければ幸いに思います。
回答者:江良技術委員長
A:RC橋梁であれば、効率よく亜硝酸イオンの効果を期待できる、リハビリカプセル工法が良いと思います。
今回の場合は、圧縮強度が高いPC構造ですので、高圧注入は工期が長くなり現実的ではなくなります。
PC中空床版橋で塩害・中性化の複合劣化、ひび割れは発生しているものの、著しい鋼材腐食までは至っていない、という状況であれば、まだ比較的軽微な補修で済むギリギリの線ですね。
厳密にはひび割れ発生後ですので事後保全ですが、これ以上劣化を進行させないための予防的処置、とういイメージです。

・亜硝酸リチウム含有の表面保護工法(リハビリ被覆工法とプロコンガードシステム)が最適と思われます。
・プロコンガードシステムは、亜硝酸リチウムによる鋼材腐食抑制とケイ酸リチウムによる劣化因子遮断の2つの効果を併せ持ちます。
・リハビリ被覆工法は亜硝酸リチウム塗布後亜硝酸リチウム含有のペーストもしくはモルタルを塗布するのでプロコンガードシステムよりも亜硝酸リチウムを多く塗布できます。
・亜硝酸リチウムの浸透深さ30mm程度という実測値は、塗布して5ヶ月後に実測したら30mmまで浸透していた、という意味です。
・浸透深さは経過時間とともに進行していきますので、1年後にはもっと深くまで浸透しているはずです。
・本橋のかぶりが40mm程度であれば、塗布後1年以内には鋼材位置まで亜硝酸リチウムが浸透すると思われます。
・亜硝酸リチウムが浸透した範囲も、その奥の範囲も、塩化物イオンはこれまでと変わらない濃度で存在します。
・亜硝酸リチウムが浸透すれば、「塩分存在下でも鋼材の腐食進行が抑制される」という状況になるだけですので、有害な電位差を生じることはなく、マクロセル腐食の原因にはなりません。
・表層部のみに亜硝酸リチウムを内部圧入した場合でも上記と同様で、マクロセル腐食の原因となる有害なマクロセル腐食は生じないことがわかっています。

亜硝酸リチウムを含有した断面修復について

Q:ポリマーセメントモルタルとPSL-40(断面修復用亜硝酸リチウム40%水溶液)の組合わせについて
※亜硝酸リチウムの混入量は、塩化物イオン濃度によって決定(塩害の場合)します。
[質問1]塩害の場合にはイオン濃度により計算することが一般的なのでしょうか。
[質問2]亜硝酸リチウム溶液にも製品によって25%と40%がありますが,使い分けはどのようにされていますか。
回答者:江良技術委員長
A:[回答1]塩害対策の場合、亜硝酸リチウムの必要量は塩化物イオン濃度によって決めるというのが通例となっています。
・亜硝酸リチウム配合可能なポリマーセメントモルタルは各社の配合例にあるように、任意の亜硝酸リチウム量を配合できるという点がメリットです。
[回答2]亜硝酸リチウム製品は40%が主流です。コンクリートメンテナンス協会で提案する亜硝酸リチウム工法はすべて40%を使っています。

中性化における断面修復の考えかた

Q:中性化の場合の混入量はどのように決定されますか。
回答者:江良技術委員長
A:・中性化の場合は、便宜的に「塩害で不動態皮膜が破壊される最低の塩化物イオン量」に相当する亜硝酸リチウム量を採用しています。
・具体的には塩分量1.2kg/m3(または2.0kg.m3)に対応する亜硝酸リチウム量です。

亜硝酸リチウム以外の亜硝酸化合物に関して

Q:亜硝酸リチウム溶液以外にも亜硝酸イオンを混入する工法や材料はありますか。
ASRでない場合でも,リチウムイオンが入っている必要がありますか。
回答者:江良技術委員長
A:・補修材料としての亜硝酸塩には、亜硝酸リチウムのほかに亜硝酸カルシウムが製品化されています。
・ただし、亜硝酸カルシウムは溶解度が低く、低濃度水溶液にしかなりません。
・亜硝酸カルシウム30%水溶液(限界濃度)の亜硝酸イオン有効成分は亜硝酸リチウム25%水溶液相当しかありません。
・できるだけ高濃度の水溶液をつかう(できるだけ水を少なくする)べきとの観点から、コンクリートメンテナンス協会では亜硝酸リチウムを推奨しています。

感潮区間への補修について

Q:亜硝酸リチウムと超速硬性ポリマーセメントモルタルとの組合わせは、今のところ無いので、「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルによる断面修復」+「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントペーストによる表面被覆」+「湿潤面用エポキシ防水被覆材」の組合わせがよいとのことですが,施工途中に水没する場合はどうすればいいのでしょうか?

「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタル断面修復」と「亜硝酸リチウム含有表面被覆」の養生時間は問題ありませんでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:・上記の内容が、この施工環境下で最善の策と言えると思います。
・「亜硝酸リチウム塗布」「亜硝酸リチウム含有ペースト塗布」「湿潤面用エポキシ防水被覆材塗布」の3工程は1日のうちにに施工可能ですの潮待ち施工でも施工可能です。
・また、一日で必要な暑さの断面修復ができない場合、一層目の断面修復材を塗りつけ後、海水に水没、干潮で次の施工時に表面の塩分を水洗いし次の層を付けて必要厚さの断面修復後に、表面保護をすることは可能です。
・亜硝酸リチウム含有表面被覆材は塗布後30分以内は水没しないようにすれば硬化に問題はありませんし、湿潤面用エポキシ防水被覆材は湿潤面にも塗布できますので、連続施工が可能です。また、湿潤面用エポキシ防水は二液反応硬化型の材料ですので、水中でも硬化します。

感潮区間への補修について

Q:施工条件:
塩化物イオン量が鉄筋位置で5.51kg/m3,架橋後43年を経過した橋梁になります。
マクロセル腐食対策として,亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルによる断面修復工と表面保護工を計画しています。
補修箇所は感潮区間のため,橋脚の柱部では潮待ち作業となります。
(朔望平均満潮位以深のため,満潮時には水中となる箇所です)
1日当たりの作業可能時間は約5時間となります。

[質問1]亜硝酸リチウム溶液の配合比率と配合の方法についてお教えください。
(製品として決められた配合があるのか,塩化物イオン量から配合比を決定するのか.商品の購入はセメント材と溶液をそれぞれ購入してから配合しますか)
[質問2]今回の現場では,断面修復材は超速硬性の材料でないと適用が難しいと思うのですが,亜硝酸溶液入りの断面修復材に,超速硬性の製品はありますでしょうか。
また,満潮時には水に浸かる箇所ですが亜硝酸リチウム溶液入りの材料の使用に問題は有りませんでしょ うか。
[質問3]以前、水に浸かる箇所への表面保護工は,表面含浸工の適用性が低いため表面被覆工 「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルによる表面被覆」+「高分子件浸透性防水材」の方が適用性があるとお教えいただいたのですが,今回のような条件下での表面保護工で適用性の高いものは何がありますでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:[回答1]2種類あります。
(1)RVモルタルGRC
最初から亜硝酸リチウムを混入したポリマーセメントモルタル
亜硝酸リチウム混入量は55kg/m3のみ
セメント材と、亜硝酸リチウム含有混和材のセット販売で現地で配合(一定配合)
(2)リフレモルセットSPとPSL-40の組合わせ
プレミックスタイプのポリマーセメントモルタル「リフレモルセットSP」と水と亜硝酸リチウム水溶液「PSL-40」の組合わせ
亜硝酸リチウム混入量は任意に設定可能
リフレモルセットSPとPSL-40を個別に購入し、現場で配合(設計混入量を水と置換する)
亜硝酸リチウムの混入量は、塩化物イオン濃度によって決定(塩害の場合)

[回答2]亜硝酸リチウムと超速硬性ポリマーセメントモルタルとの組合わせは、今のところありません。
作業可能な5時間の間に、亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルで施工して、完了できる範囲の施工を行い、次の工程を次の施工可能時に、水洗いを行い、次工程を施工します。
水没する範囲の断面修復工に亜硝酸リチウムを用いることに関しては、何ら問題ありません。

[回答3]作業可能な5時間の間で表面被覆工を行うとすれば、被覆材が完全に硬化する前に水没するということになります。
このような条件に適用可能な被覆材は限られます。高分子系浸透性防水材は不向きですね。
湿潤面用エポキシ防水被覆材「RVウエットメント」が適しています。カタログをご参照ください。
「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルによる表面被覆」+「湿潤面用エポキシ防水被覆材」の組合わせがよいと思います。

塩害とASRの複合劣化

Q:ASRの反応が見られ、内在塩分(除塩不足の海砂)も高い橋になります。
幸い、ASRによるひび割れは、最上流側の桁のみとなっております。
補修対策として何か提案頂けるものがあれば、ご助言頂きたいです。

当橋梁は県北部の内陸部に架かる橋で海岸からは遠く離れています。
水分の供給抑制のひび割れ注入、表面処理橋面防水に加え、ASR対策でリチウムの注入を施工すべきと思いますが ・・・・・
回答者:江良技術委員長
A:劣化要因はASRと塩害の複合劣化。主がASRで従が塩害です。

ASRの観点からは、残存膨張量が極めて大きいため、単なる表面被覆工などでは不十分だと思います。
ただし、対象構造物がPC上部工(ポステンT桁橋)でありコンクリートが密実であるため、内部圧入工法ですと、圧入に多くの時間がかかります。工期を考慮すると、適用範囲外となることが多いです。
では、どうするかというと、亜硝酸リチウムを用いた表面被覆工法とひび割れ注入工法との組合わせが現実的です。
本協会の技術資料に掲載している仕様そのものです。
この仕様で補修した場合、本橋の塩害劣化状況に対する補修効果としては十分だと考えられます。

よって、本橋で提案する補修工法は以下の通りとなります。
・ひび割れ注入工法 (リハビリシリンダー工法)
・表面被覆工法 (プロコンガードプライマー+RVペースト+アイゾールEX)

鉄筋かぶりを確保できない場合の方法

Q:建設当時から壁高欄の鉄筋かぶりが不足している状況で、道路の建築限界の制約により鉄筋かぶりを確保できない(コンクリートを増厚できない)場合、補修方法にはどのような選択肢が考えられるでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:所定のかぶりを確保できていない壁高欄では、十分なかぶりを有する壁高欄に比べて
「鉄筋の腐食リスク」が高い状態にあるといえます。
その鉄筋腐食を引き起こす原因は「塩害」と「中性化」の2つです。

塩害であれば塩化物イオン、中性化であれば二酸化炭素が劣化因子です。
十分なかぶりがれば劣化因子が侵入しても鉄筋位置まで到達するまでの時間が長い(健全な期間が長い)のですが、物理的に十分なかぶりが確保できないのであれば、表面保護工によって劣化因子の侵入そのものを抑制する必要があります。

表面保護工法には「表面被覆工法」と「表面含浸工法」があります。
劣化因子の遮断性能は表面被覆工法のほうが優れています。また美観性も向上します。

経済性および施工性では表面含浸工法のほうが優れています。外観は変えられませんが、以後のモニタリングは容易です。
壁高欄の場合は施工時に交通規制を伴うことが多いと思いますので、より短期間で施工可能な表面含浸工法のほうが有利かもしれません。

さらに、表面含浸工法にて劣化因子の侵入を抑制するだけでなく、そこに亜硝酸リチウムを併用することで鉄筋腐食そのものを抑制する効果をプラスすることもできます。
講演中にご紹介した「プロコンガードシステム」がそれにあたり、壁高欄で大く採用されている工法です。

ASRリチウム工法の施工管理について

Q:亜硝酸リチウム浸透確認のコアの径と長さはどれくらいですか? 頻度、採取時期は?
ひび割れ充填確認も教えてください。
回答者:河原健児技術委員
A:径は、φ20mmであけています(HILTIなら20mmが可能)。
その他の場合は、φ50mmであけています。
ただし、ひび割れ充填も確認したい場合は、φ50mmでないと確認できないと思います。
頻度は、過去の実績では、圧入機1台当たり1本にしています。

亜硝酸リチウムの浸透確認だけなら、施工後はいつ採取しても反応は出ると思います。
ひび割れ充填確認についても、圧入した後であれば、ひび割れ注入はそれより何日も前に完了しているはずなので問題はないです。
ただし、ひび割れ充填確認のみを行う場合は、注入材が完全に硬化しないと、削孔水で流されてしまうので、ひび割れ注入後3日くらいはあけた方がいいと思います。
冬場ですと、もっとあけた方がいい場合もあります。
逆に、夏場は3日もいらない場合もあります。
これは、使用後のシリンダー内に残った注入材の状態を見て判断した方がいいと思います。
シリンダー内の注入材が緑色に変色していればOKです。
緑色に変色すると、シリンダーの外から見ても、黒っぽく変色するのでわかります。

亜硝酸リチウム内部圧入工

Q:内部圧入工がPC橋に適用できない理由を教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:内部圧入工が適用できるのは、設計基準強度40N/mm2以下のコンクリート構造物です。すなわち、RC構造物が対象で、基本的にはPC橋には適用は困難です。
ただし、コンクリート強度の違いがあるだけで原理は同じなので、高圧、長時間の施工ができれば将来的には可能です。
・つまり、高圧に耐えられる装置開発、長期間の施工工期設定、それらを反映させた施工歩掛がそろえば施工可能となる、ということです。

亜硝酸リチウムの効果確認について

Q:亜硝酸リチウムを使用した施工に対して現場で効果確認法した事例について教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:・塩害対策の場合、施工前後の自然電位計測により補修効果を確認することができます。
・上記の効果検証を供試体レベルで実施した結果は、田島ルーフィングの福田杉夫さんの学位論文に記載されています。該当ページを添付いたします。これによると、亜硝酸リチウムを供給した後、鉄筋に自然電位が貴な方向へ回復している(腐食環境が改善されている)様子が示されています。
・ASRの場合は残存膨張量を施工前、施工後で測定して実証することができます。

亜硝酸リチウムを用いた表面含浸工法と表面被覆工法の効果の違いについて

Q:亜硝酸リチウムを用いた表面含浸工法と表面被覆工法がありますが、この効果の違いについて教えて下さい。
どちらも亜硝酸リチウムの塗布量は0.3kg/m2ですが、表面被覆工法はさらにその外面に亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントペーストがあるため、内部への鉄筋防錆効果が高くなるのでしょうか。
外部からの二酸化炭素の侵入抑制は、表面被覆工法が当然高くなりますが、内部への補修効果も高くなるか教えて下さい。
回答者:江良技術委員長
A:・表面含浸工法、表面被覆工法ともに、主たる要求性能は「劣化因子の遮断」です。
・そして、両方法とも亜硝酸リチウムを併用することにより、「鉄筋腐食抑制」も付与されます。
・ただし、劣化因子の遮断効果は含浸よりも被覆のほうが優れていますし、亜硝酸リチウムの量も多いので鉄筋防錆効果も高くなります。
・したがって、性能面で比較すると含浸工法よりも被覆工法のほうが補修効果は高いと言えます。
・しかし、対象構造物の部位などによっては含浸工のほうが適用性が高い場合もあります。
・例えば、橋面防水が不十分な床版下面への適用などの場合で、表面被覆するとコンクリート内部に水分を閉じ込める可能性がある場合では含浸工のほうがよいでしょう。
・また、被覆してしまうと以後の劣化進行をモニタリングしにくくなるので含浸工法が採用になるケースもあります。

表面塗布における亜硝酸リチウムの浸透量

Q:亜硝酸リチウムの浸透目安は5カ月で30mmと技術資料に記載がありますが、経年的にそれ以上の深さに浸透するか教えて下さい。
(鉄筋かぶりは50〜60mm程度あるため)
回答者:江良技術委員長
A:・コンクリートの強度や含水状態などによって左右されますので一概に言えないところが難しいところです。
・技術資料に記載した5カ月で30mmは、強度20N/mm2程度のコンクリートに表面含浸工法として適用した場合の数値です。
・期間と浸透深さは比例せず、速度がだんだん遅くなる方向です。中性化の進行(ルートt則)や塩化物イオンの拡散のイメージです。
・5カ月で30mmの延長として、かぶり50〜60mmまで浸透するにはおそらく2年程度かかると思います。
・ただし、表面被覆工ではさらに表層部に多くの亜硝酸リチウムがのりますので濃度勾配が大きくなり、少しはスピードが上がる方向です。

ひび割れ充填工法について

Q:亜硝酸リチウムを用いたASR対策にひびわれ充填工が無いようですが、何か意図があるのでしょうか。
本橋は5mmのひびわれもあるため、ひびわれ充填工も採用せざるを得ないかなと思っています。
回答者:河原健児技術委員
A:本会の考え方です。
ひび割れ充填工というのは、躯体を一体化させたり、何かをコンクリートに浸透させようという目的はなく、あくまでもひび割れ表面だけをふさいで劣化因子の浸入を遮断する工法ですので、亜硝酸リチウムを用いた工法とは無縁のものだと思います。
幅5mm程度のひび割れであれば、全然適用可能ですし、むしろ注入した方がいいです。
ひび割れ充填工は、セメント系の材料ではほとんどと言っていいほど、比較的早い段階で充填材が剥離してしまいます。
ひび割れ充填工は、建築物の外壁補修を除き、あまりオススメできるものではありません。

RCの塩害の考え方

Q:塩害による劣化したRCの補修の考えかたを教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:RC上部工の塩害が進行中で再劣化まで生じている状況で、鉄筋位置で腐食発生限界値以上の塩化物イオンが存在している状況として、以下の通り対策工をご提案いたします。

まず、塩害による鉄筋腐食に対し亜硝酸リチウムによる抑制効果が期待できます。
これは破壊された不働態皮膜を亜硝酸イオンが修復するためです。

次に、補修工法として亜硝酸リチウムをどのように使用するかです。
使い方としては、表面含浸工法、表面被覆工法、内部圧入工法があります。
これらの使い分けは、補修工法に要求されるグレードによります。
鉄筋位置に高い塩化物イオン濃度が存在していますので、このままでは全ての鉄筋の腐食は今後ますます進行します。
鉄筋腐食を抑制するための亜硝酸リチウムですが、その使い方によって効果の度合いが当然異なります。

【根本的な対策;再劣化を許容しない】⇒『内部圧入工』
・既設塗膜を撤去する。
・RC主桁、床版にφ10mmの削孔を行い、そこから亜硝酸リチウムを内部圧入する。
・亜硝酸リチウム圧入量は塩化物イオン量に応じて定量的に設定する。
・十分な量の亜硝酸リチウムが鉄筋不働態皮膜を確実に再生するため、以後の鉄筋腐食は抑制され、再劣化は生じない。
・工法名は「リハビリカプセル工法(NETIS:CG-120005-a)」
・概算工事費は50,000〜70,000円/m2程度
・工法比較の対象は、電気防食工、脱塩工法、全断面修復工法などです。

【対処療法的な対策;再劣化を許容する】⇒『表面含浸工』『表面被覆工』
・既設塗膜を撤去する。
・コンクリート表面に亜硝酸リチウム系含浸材、を塗布する。
・続いて、劣化因子遮断目的で、ケイ酸リチウム系含浸材を塗布する工法が『表面含浸工』
・亜硝酸リチウム含有ペーストを塗布して、塗膜を塗布するのが『表面被覆工』です。
・亜硝酸リチウムは6ヶ月で30mm程度の速度でコンクリート内部へ浸透し、鉄筋位置まで到達したら腐食抑制効果を発揮し始めます。
・亜硝酸リチウム含有ペーストを塗布すると一層亜硝酸リチウムの効果を期待できます。
・亜硝酸リチウムの塗布可能量は一律0.3kg/m2としてますが、塗布量を増やすことで塩化物イオン濃度に応じた設定は多少可能です。
・工法名は「プロコンガードシステム(表面含浸工法)」概算工事費は3,500円/m2程度、表面被覆工法は概算工事費7000円/m2程度です。
・プロコンガードシステムの目的は「劣化因子の遮断」であり、「鉄筋腐食抑制」はプラスアルファ程度とお考えください。
・つまり、将来的な再劣化を許容し、再劣化したら速やかに再補修をくり返す、という維持管理シナリオを選択するするということです。
・工法比較の対象は、表面被覆工、他の表面含浸工などです。参考比較表を添付しますのでご参照ください。

その他、ひび割れ箇所にひび割れ注入工法、浮き・はく離箇所に断面修復工法として亜硝酸リチウムを併用することができますので、上記の「内部圧入工」もしくは「表面含浸工」と組み合わせることになります。

ケイ酸リチウム系表面含浸材について

Q:ケイ酸リチウム系含浸材は水酸化カルシウムと反応するという記述がありますが、中性化すると、水酸化カルシウムは炭酸カルシウムになって、化学反応しないので、含浸材としての性能が出ないのではないでしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)コンクリートライブラリー137
のけい酸塩系表面含浸材の種類と特徴(CL137 11頁)に表現されているようです。
http://www.linack.jp/qa/

この中で水酸化カルシウムと反応すると記載があるようです。
但し、疑問も残ります。
北海道開発局の資料がありました(添付します)。
そのP22にケイ酸ナトリウムとケイ酸リチウムの違いが説明されています。
その中でケイ酸ナトリウムは水酸化カルシウムと反応、ケイ酸リチウムは固化乾燥し結晶化と記載があります。
この方がしっくりします。

現時点では、ここまでですが、北海道開発局の記載が正しいように思えます。

亜硝酸リチウムとケイ酸リチウムの組み合わせについて

Q:亜硝酸リチウムのとの組み合わせにケイ酸ナトリウムでなくケイ酸リチウムなのかを教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:ケイ酸リチウムの目的は、「劣化因子の遮断」と「亜硝酸リチウムの溶出防止」です。

ケイ酸リチウムを選定した理由は、亜硝酸リチウムとの相性です。
ケイ酸ナトリウムのような水溶性の反応型の場合、亜硝酸リチウムの浸透とケイ酸ナトリウムの浸透が同時に起こり、ケイ酸ナトリウムによる組織緻密化域に亜硝酸リチウムが固定され、それ自身の浸透を阻害する可能性が指摘されたため、表面で乾燥固化して深く浸透しないケイ酸リチウムと組わせることとしています。
また、ケイ酸ナトリウムは水酸化カルシウムと反応して結晶を作りますが、炭酸カルシウムとは反応しません。よってケイ酸ナトリウムが十分に効果を発揮するのは新しいコンクリート構造物であり、補修が必要な老朽化した(中性化も進行した)コンクリートにとっては補修効果が低減する可能性もあります。

橋台の厚さの測量について

Q:調査・試験中の橋ですがASRが想定されます。 図面がなく、橋脚の厚みを測る方法がありますか。
コアを抜くとか ・・・・
回答者:江良技術委員長
A:躯体厚さが不明の場合、カタログ上は1mくらいまでなら超音波探査で測定可能なはずです。
ただし、ASR劣化している場合は内部の微細ひび割れが多すぎて超音波が直進せず、うまく測定できないことが多いです。
佐賀県の物件で、実際に超音波を試したものの測定不能となり、やむなく貫通コアを採取して物理的に版厚を測定しました。
結局これが一番確実です。

ASRのひび割れ注入について

Q:亜硝酸リチウムをクラックに低圧注入した場合、時間の経過と共にクラック周辺にどの程度までイオン拡散浸透して周辺のASR対策に効果があるものでしょうか。
回答者:技術委員会
A:ASR劣化でひび割れにリハビリシリンダー工法でひび割れ注入をした場合。
リチウムイオンは亜硝酸イオンほどイオン拡散はしませんが、ひび割れの原因が反応性骨材の膨張が原因で、その骨材からひび割れが発生しているので、ひび割れに亜硝酸リチウムを注入すると直接、膨張している骨材にリチウムイオンが到達するので、その骨材の膨張を抑制することはできます。しかし、ひび割れから離れている反応性骨材へのリチウムイオンの膨張抑制効果を期待するのはかなり時間がかかり、その間に再劣化をいたします。
最近15年前にリハビリシリンダー工法を施工したASRの現場の効果確認をしたのですが、再劣化はしていますが、ひび割れ幅は0.1mm以下が多く、再劣化はしていますが、リハビリシリンダー工法の効果を確認することが出来ました。

塩害対策での 高圧注入(リハビリカプセル)の応用

Q:壁厚25cmのコンクリート壁に高圧注入することが妥当かどうか、もし、高圧注入を採用した場合の削孔のピッチとm2当りの概算工事費をご教 示願います。塩分は3〜5kg/m3程度です。
回答者:江良技術委員長
A:RC壁への高圧注入工法の適用は非常に効果的だと考えます。
片側から削孔し、亜硝酸リチウムを防護柵コンクリート全体に浸透させることができますので、
壁の内側、外側の鉄筋を防錆対象とすることができます。
犠牲陽極による工法であれば、内側と外側の鉄筋それぞれに犠牲陽極材を埋め込む必要がありますので
施工も大変ですし、工事費も高くなると考えられます。

版厚25cmの部材への高圧注入はRC床版への適用事例が多数ありますので問題ありません。

RC床版への事例を添付いたしますのでご参照ください。

圧入装置はカプセル式(リハビリカプセル工法)となります。
リハビリカプセル工法の技術資料を添付します。
圧入仕様は削孔径φ10mm、削孔深さ200mm、削孔間隔500mmとします。
カプセルを設置したままの状態で約7日間、亜硝酸リチウムを高圧注入いたします。
圧入に先立ち、鉄筋探査や削孔などの作業が必要ですので、最低20日程度の作業となります。
(もちろん施工延長に応じて期間は変わります)
施工はRC防護柵の内側からでも外側からでも可能です。どちらか1方向からの施工となります。
塩分量3〜5kg/m3の場合、施工費は概ね50,000〜60,000円/m2程度とお考えください。(材工、直接工事費)

ASRに対する亜硝酸リチウムの適用について

Q:PCホロー桁のASR補修に対する亜硝酸リチウムの適用の可否
回答者:江良技術委員長
A:ASR補修として適用可能な亜硝酸リチウム関連工法には
,劼啌笋戝軻(リハビリシリンダー工法)
表面含浸工法(プロコンガードシステム)
I縮免鑛す法(リハビリ表面被覆工法)
て睇圧入工法(ASRリチウム工法、リハビリカプセル工法)
がありますが、このうちPCホロー桁に適用可能なのは 銑となります。

い瞭睇圧入工法は下記の理由により現時点で適用外としています。
・PC部材はコンクリート強度が高く、密実であるため、圧入による亜硝酸リチウムの浸透に時間がかかる
・全断面有効のPC部材への削孔が好ましくない

以上により、ASRで劣化したPC部材への補修は、
,劼啌笋戝軻(リハビリシリンダー工法)にてひび割れ周囲に亜硝酸リチウムを浸透しつつひび割れを閉塞し、
表面含浸工法(プロコンガードシステム)にてコンクリート表面に亜硝酸リチウムを浸透しつつ劣化因子を遮断する
という組み合わせをご提案しています。
美観性向上が必要な場合には△砲えてI縮免鑛す法とする場合もあります。
もちろん、これらでは部材全体への亜硝酸リチウム浸透は得られませんので、完全なASR対策とはならず、再劣化する可能性があります。

現時点ではこれが限界だと考えています。

塩害の亜硝酸リチウムの応用について

Q:塩化物イオンが2kg/m3以下かぶり40mm以下程度の上部工には表面含浸工法(亜硝酸リチウム+ケイ酸リチウム)とし、塩化物イオンが2kg/m3以上かぶり100mm程度の下部工には塩化物イオンの量が多いため表面被覆工法(亜硝酸リチウム+ペースト)を考えています。
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウムを用いた表面含浸と表面被覆の使い分けとしては良いと思います。
ただし、表面被覆にしてもかぶり100mmまで浸透させるのはかなり厳しいと考えられますので、
鉄筋防錆効果を確実なものとするには内部圧入工(リハビリカプセル工法)まで必要となります。
併せてご検討ください。

塩害 表面被覆(リハビリ被覆工法)と表面含浸の応用(プロコンガード工法) の応用について

Q:飛来塩分があるわけではないので、亜硝酸リチウム+ペースト+被覆ではなく亜硝酸リチウム+ペースト+ケイ酸リチウム としても問題はありませんか?またはペーストの保護工が必要でしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:表面被覆工の場合、主材となるポリマーセメントペーストを保護する必要があります。

この場合はやはりケイ酸系含浸材ではなく被覆材にて保護したほうがよいです。
「亜硝酸リチウム+ペースト+被覆(アイゾールEX RH仕様)」の仕様をお勧めします。アイゾールEX RH仕様は亜硝酸リチウムと相性を確認した被覆材です。また、モノマー結合の被覆材ですので、内部の水分を外部に出して、外部の水分を内部に入れない性質があります。

経過観察を必要とする場合や、外観を変えなくないときは、亜硝酸リチウム系表面含浸材とケイ酸リチウム系表面含浸材の組み合わせのプロコンガードシステムが適しています。ただし、ペーストが無い分、亜硝酸リチウムの量は少ないです。 塩化物イオン量等に定量的な計算で必要量を算定して、工法を選択することも大切です。

ASRにおける表面含浸工法について

Q:ひび割れ注入を亜硝酸リチウムを先行注入します。その場合の表面含浸材料はどうすればいいでしょうか
回答者:江良技術委員長
A:表面含浸工法について
・土木学会のコンクリートライブラリーなどでは、表面含浸材を「シラン系」「ケイ酸ナトリウム系」「ケイ酸リチウム系」「その他」に分類するのが一般的です。
・「シラン系」「ケイ酸ナトリウム系」「ケイ酸リチウム系」の表面含浸工法はいずれも劣化因子を遮断することを目的としたものであり、それらの材料耐用年数は7〜10年程度とみるのが一般的です。
・ここで、コンクリートメンテナンス協会が提案する表面含浸工法は「亜硝酸リチウム系+ケイ酸リチウム系」です。これは上記の分類では「その他」となります。
・「亜硝酸リチウム系+ケイ酸リチウム系」は、ケイ酸リチウムによる劣化因子の遮断に加え、亜硝酸リチウムによる劣化原因そのものの抑制効果も期待できます。
・ひび割れ注入断面修復に亜硝酸リチウムを併用した後に表面含浸工法を組み合わせることは非常に効果的と言えます。その際の表面含浸工法としては「亜硝酸リチウム系+ケイ酸リチウム系」(プロコンガードシステム)が最適だと考えます。

ASRの工法選定について

Q:[質問1]ASR対策での亜硝酸リチウムは膨脹を遅延させる目的だと思いますが、表面保護をセットで施工したいと思います。どのような工法の組み合わせが良いでしょうか?
[質問2]ひび割れ幅が大きく、また多いと、ひびは割れ充填や注入をどのように使い分けるのでしょうか。また含浸材による劣化因子侵入対策は有効でしょうか。
[質問3]一般的にどんな含浸材料でしているのでしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:[回答1]主工法 : 亜硝酸リチウム内部圧入工(ASRリチウム工法)
 併用工法 : ひび割れ注入工法(リハビリシリンダー工法)、表面保護として、表面含浸工法(プロコンガードシステム)あるいは表面被覆工法(リハビリ被覆工法)を推奨します。
[回答2]内部圧入を行う場合、圧入時に抑制剤がひび割れから漏出するのを防ぐ目的からひび割れ注入工法でひび割れを塞ぎます。
・この漏出防止は充填工法では無理ですので、ひび割れ幅が大きくても注入工法を適用します。(ひび割れ幅によってセメント系注入材を使い分けます。※材料は協会事務局にご相談ください)
[回答3]圧入後の表面には表面含浸工法を適用します。表面含浸工法には「シラン系」「ケイ酸ナトリウム系」「ケイ酸リチウム系」があります。
・このうち、シラン系は亜硝酸リチウムとの相性が悪いため除外します。
・ケイ酸ナトリウム系はASRの劣化原因のナトリウムを含みますのでASR補修には使用しないことが多いです。
・残るはケイ酸リチウム系です。亜硝酸リチウムとケイ酸リチウムを組み合わせたプロコンガードシステムを使用するのがよいと思います。

地中でのASRについて

Q:地表面30cm以下はひび割れがありませんでした。ASRは内在する水分により膨張すると考えていました。
回答者:江良技術委員長
A:・一概には言えませんが、気中部と土中部では土中部のほうが劣化が軽微なことが多いです。
・土中部には地下水があるため、気中部よりも水分供給が激しい場合があります。それでも土中部のほうが劣化が軽微なのは、おそらく温度変化の影響だと考えられます。
・ASRは化学反応ですので、必ず温度の影響を受けます。高温であるほどASRが進行しやすいと言えますが、さらに高温と低温の繰り返し、すなわち温度の日較差、年較差の影響も大きいです。
・土中部は気中部に比べて温度変化が小さいため、ASR進行が穏やかであるケースがあるということです。

劣化期のASR対策工法について

Q:コアの外観やSEM-EDSから、劣化原因はASRで間違いありませんが、カナダ法の結果からは、今後将来的な膨張が進行するとは考えにくい、と判断される場合の補修方法は何がいいでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:ASR膨張が収束している場合、亜硝酸リチウム内部圧入工は不要です。
現在発生しているひび割れを補修し、表面保護することで十分だと思います。
以下の2パターンが考えられます。

,劼啌笋戝軻「リハビリシリンダー工法」+表面含浸「プロコンガードシステム」
・既に発生している幅0.2mm以上のひび割れに対し、ひび割れ注入工を施します。
・ASRで生じているひび割れと既設鉄筋が交差する箇所が必ずあり、そこには劣化因子がダイレクトに供給されますので、鉄筋は腐食環境にあります。
・そこで、ひび割れ注入材に防錆材として亜硝酸リチウムを併用することが効果的です。
・また、残存膨張量試験で無害でも完全に膨張が収まってないケースも多くありますので、リチウムを供給することは有効です。
・工法名はリハビリシリンダー工法となります。
・ひび割れ注入完了後、コンクリート表面に表面含浸材を塗布します。
・これはコンクリート表面から内部への以後の劣化因子侵入を抑制するための処置です。
・表面含浸材に亜硝酸リチウムを併用することにより、鉄筋腐食抑制効果を付与します。
・亜硝酸リチウム系表面含浸工の工法名は「プロコンガードシステム」です。  
・これは亜硝酸リチウム塗布+ケイ酸リチウム塗布の組み合わせによる表面含浸工法です。
・表面含浸工なので、施工後も見た目が全く変わりません。
・ということは、以後のモニタリングがしやすい反面、美観性は向上しません。

△劼啌笋戝軻「リハビリシリンダー工法」+表面被覆「リハビリ被覆工法」
・ひび割れ注入は上記と同様です。
・表面保護の性能を上記の含浸工法よりも向上させたい場合には、表面被覆工法となります。
・これは、亜硝酸リチウム塗布、亜硝酸リチウム含有ペースト塗布、高分子系防水材塗布の組み合わせによる表面被覆工になります。
・工法名は「リハビリ被覆工法」となります。
・表面に膜を形成しますので美観性は向上します。

プロコンガードシステム 標準塗布量が亜硝酸リチウムの必要量を下回る場合

Q:塩化物イオン量が3kg 浸透深さが50mmの場合の 亜硝酸リチウム塗布量はどうするのでしょうか。
回答者:技術委員会
A:塩化物イオン量が3kg/m3で、鉄筋かぶりが50mmの場合、プロコンガードプライマー(亜硝酸リチウム有効成分40%)の塗布必要量は0.56kg/m2です。
プロコンガードプライマーの標準塗布量は0.30kg/m2(0.15×2回)ですので、標準量では足りません。
過去の経験より、物理的に塗布可能量は0.6kg/m2です。
0.6kg/m2塗布する場合
1層目 0.15kg/m2
2層目 0.15kg/m2
3層目 0.15kg/m2
4層目 0.11kg/m2

塩害における断面修復工法の考え方について

Q:亜硝酸リチウムを断面修復材に混入して補修することを発注者に提案しております。
発注者より鉄筋より奥の部分の塩分浸透量が1.2kg/m3を超えているが亜硝酸リチウムを混入した場合、効果があるのかとの質問を受けております。
回答者:江良技術委員長
A:・かなり深くまで高い塩分量がありますね。中性化による塩分濃縮の傾向も見て取れます。
・このような状況に対する断面修復工に亜硝酸リチウムを使用することは効果的だと思います。
・ポイントは「はつり深さ」になります。
・基本は鉄筋背面側まで完全にはつりとり、鉄筋と塩分の縁を切ります。
・上部工のかぶりは10〜40mm程度のようですので、鉄筋より10〜20mm奥まではつりとり、亜硝酸リチウム含有ペーストで断面修復します。
・このとき、発注者のご指摘通り、断面修復よりも奥側に高い塩分量が残ります。
・すると、濃度勾配によって奥から表面側へと塩化物イオンの逆拡散が始まる可能性があります。
・しかし、鉄筋周囲には密実なポリマーセメントモルタルが存在しますので、コンクリート中に比べて塩化物イオンの拡散は極めて生じにくい状態となっています。
・一般的に、ポリマーセメントモルタル中のイオン拡散速度はコンクリートの1/6程度と極めて遅いとされています。
・したがって、残存供用期間中に鉄筋位置の塩分量が再び発錆限界を超えることは想定しにくいですね。
・鉄筋周囲には防錆材としての亜硝酸イオンが存在しており、その周囲は密実なポリマーセメントモルタルで塩化物イオンから遮断されていますので、補修後の鉄筋腐食抑制効果は十分に持続するものと考えられます。

・断面修復工の範囲は浮き、剥離、鉄筋露出箇所だと思います。
・では、現時点で浮き、剥離が生じていない範囲はどう考えるべきか、議論が分かれるところです。
・同じ環境下にありますので、現時点で浮き剥離が生じていない(そこまで鉄筋腐食が進行していない)だけで、塩化物イオンは十分に高い状況のはずです。
・すると、補修後数年後にはこの断面修復未実施の範囲に劣化が顕在化してくるものと予測されます。
・それに対する対処方法は3つです。
”發剥離の有無にかかわらず、高い塩化物イオン含む全面を対象に全断面修復を行う。
浮き剥離箇所は断面修復工を行い、それ以外の範囲は亜硝酸リチウムを内部圧入する。
I發剥離箇所は断面修復工を行い、それ以外の範囲は表面保護工を行って経過観察を強化する。
・上記の,鉢△郎本的な対策で、以後の再劣化は想定しません。
(・ただし、供用中の上部工の主桁、床版の鉄筋をすべて露出するほどのはつりは現実的ではありません。)
・しかしの対処ではおそらく数年後に表面保護工だけの範囲が再劣化します。既に塩分が高いですから。

長文になりましたが、ご参照いただければ幸いです。

亜硝酸リチウム系表面含浸材(プロコンガードシステム)ついて

Q:必要量が標準塗布量より多い場合はどうするのでしょうか。
回答者:江良技術委員長
A:表面含浸工として亜硝酸リチウムを塗布する場合の算出シートをご参照してください。(※必要な方はご連絡ください)
鉄筋位置での塩分量が3kg/m3で鉄筋かぶりを50mmとすれば、プロコンガードプライマー(亜硝酸リチウム40%水溶液)の塗布必要量は0.56kg/m2となります。
一方、プロコンガードプライマーの標準塗布量は0.30kg/m2(0.15×2回)ですので、この場合は標準量では足りないことになります。
過去の経験より、物理的に塗布可能量は0.6kg/m2ですので、本件の場合(かぶり50mmと仮定した場合)は4回塗布とすることになります。

亜硝酸リチウム含有断面修復工法について

Q:断面修復するモルタルすべてに、亜硝酸リチウムを含有する必要があるのでしょうか?たとえば、10cm厚さの場合、鉄筋周辺の数センチだけを亜硝酸リチウム入りモルタルとして、それ以外は亜硝酸リチウムを混入しないモルタルとしてはダメでしょうか?
回答者:河原健児技術委員
A:鉄筋まわりだけを亜硝酸リチウム入りにして、それ以外を亜硝酸リチウムなしにすると、濃度勾配で、亜硝酸リチウムなしのポリマーセメントモルタルに亜硝酸リチウムが吸収されてしまい、計算上の亜硝酸リチウム必要量が確保できなくなるのではないかと思います。
そのため、必要な深さまでは亜硝酸リチウム入りにしないといけないのではないかと思います。
あくまで、私見ですが。
あと、施工上も、図で書いているようにうまくいくかどうかもあります。
また、実際の鉄筋のかぶりは場所によって異なると思いますので、場所によって、亜硝酸リチウム入りのモルタル深さを調整するのも難しいと思います。

支承リバイバルシステムについて(鋼製支承の金属溶射技術)

Q:他社様の金属溶射工法と大きく異なる点は?
回答者:ダイクレ興産株式会社 光永常務
A:弊社の「支承リバイバルシステム」は従来工法と比べて、以下の2点が大きく異なると言えます。

1.支承の手が届きにくい箇所(狭隘部)を特殊ノズル(斜角式ノズル)を使用してブラスト施工することにより、広範囲な素地調整を行うことができる点。
 _従来工法では手が届きにくい箇所(狭隘部)は手付かずで、未施工のことが多かったが、それが改善されるようになった。

2.金属溶射施工後、常温亜鉛メッキ塗料でコーティング(封孔処理)を行う点。
 _従来工法では金属溶射施工後、エポキシ樹脂系塗料を使用してコーティング(封孔処理)を行っていましたが、常温亜鉛メッキ塗料使用により以下の点が改善されました。
 々盻稘抂 ̄瑤魎泙狹瀕舛琉戞⊇祥菘瀕舛茲衙豹効果が高まった点。
 ⊇祥菘瀕舛任錬臆鹽匹蠅鮃圓辰討い燭、常温亜鉛メッキ塗料では1回塗りで済むため、塗装工程が短縮され、工期短縮が図れる点。
 エポキシ樹脂系塗料に比べ、有機溶剤使用量が90%減少し、環境や人体に優しい塗料である点。
 
以上が大きく異なる点です。その他については、ほぼ同様の工法であると言えます。

概算工事費について

Q:亜硝酸リチウムを用いた対策工の概算工事費を教えてほしい。
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウム各種工法の概算工事費(材工、直工)を以下に示します。
ただし、構造条件や劣化程度によって大きく変動しますので、あくまで参考値と捉えていただき、
具体的には物件毎に見積もりをさせてください

・表面含浸工法(プロコンガードシステム) 4,500円/m2程度
・ひび割れ注入(リハビリシリンダー工法) 11,000円/m程度
・内部圧入工法(リハビリカプセル工法、塩害補修) 50,000〜100,000円/m2程度4
・内部圧入工法(ASRリチウム工法 ASR補修) 100,000〜200,000円/m2程度

ASR対策に亜硝酸リチウムの有効性について

Q:ASRの根本的な補修にリチウムイオンが有効とのことですが、そのほかの材料で有効なものはありますか?
回答者:江良技術委員長
A:現在、フレッシュコンクリートに混入してASRの発症を防ぐ混和剤として、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末などが実用化されています。
また、愛知工大の岩月先生の研究グループが、プロピオン酸カルシウムを用いたASR抑制を検討されています。
ただ、ASR劣化した既設構造物に対して作用させる抑制剤としては、リチウムイオンしかありません。
リチウム化合物には、亜硝酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムなどがありますが、高濃度の水溶液で圧入可能な材料は亜硝酸リチウムだけです。

生コンに亜硝酸リチウムを混入することについて

Q:生コンに亜硝酸リチウムを混入すれば予防に役立たないですか?
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウムを事前に混入することで、おっしゃるとおり耐塩害性、耐ASR性の高いコンクリートを製造することができます。
さらに、亜硝酸リチウム事前混入は耐凍害性も向上することが分かっておりますので、品質的には非常に効果的な使用方法です。
ただ、問題は経済性です。鉄筋腐食やASRを抑制するためには10kg/m3程度の亜硝酸リチウムを混入することになります。
亜硝酸リチウムの材料単価が3500円/kgですので、生コン1m3あたりの材料単価が35,000円UPしてしまう計算になります。
ただし、重要な部位のみに限定して使用するような提案はあり得ると思います。
実際にこのような検討を行った事例もあります。

橋脚補修工事で、型枠に、亜硝酸リチウムを入れた生コンを打設したことはあります。

内部圧入の追跡調査について

Q:内部圧入後の追跡調査結果があれば教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:補修後の追跡調査に関する資料をお送りします。ご参照ください。

残存膨張量試験は採取するコアによって結果がばらつきますので、細かい数値にはあまり信頼性を求めることはできません。
大きく、判定基準値を上回っているか下回っているか、程度で判断すべきと考えます。

判定基準0.05%に対し、施工前に0.081%と大きく上回っていたものが施工直後0.018%、施工4年後0.026%ともに大きく下回っている、ととらえています。
実際に、単純にJCI-DD2法の試験結果が0.026%だった構造物の判定は「無害」となりますので、将来的な再劣化の可能性は低いと考えます。
回答日:2015年7月1日

亜硝酸リチウムの浸透について

Q:亜硝酸リチウムを表面含浸材として使用した場合、鉄筋位置まで届くのですか?
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウムを表面から含浸させた場合、既往のデータでは5ヶ月で30mm程度まで浸透しています。
長期暴露試験での分析では90mmの深さまで浸透したデータもあります。
施工後すぐに鉄筋位置まで到達させるためには内部圧入を行う必要がありますが、浸透時間を待てる場合には適用可能です。

亜硝酸リチウムと亜硝酸カルシウムについて

Q:亜硝酸リチウムと亜硝酸カルシウムの性能、使用法の違いについてご教授くだい。
回答者:堀孝廣技術顧問
A:まず、亜硝酸カルシウムと亜硝酸リチウムの違いですが、JCMAのQ&Aの中で「亜硝酸リチウム以外の亜硝酸化合物に関して」という項目があります。以下は追加です。
亜硝酸リチウムも亜硝酸カルシウムも亜硝酸イオンを防錆成分とする点では同じです。

亜硝酸リチウムが亜硝酸カルシウムと大きく異なる点は、セメントへの高添加が可能なことにあります。亜硝酸カルシウムではセメントへの添加が固形分として2%程度に限られる(それ以上では異常凝結を起こす)のに対して、亜硝酸リチウムでは10%以上の添加が可能です。
従って、施工方法として亜硝酸カルシウムでは水溶液の塗布が中心になりますが、亜硝酸リチウムの場合には高添加したセメントペースト、セメントモルタルとして施工することができます。
コンクリート中の塩化物イオンが少ない時には、水溶液の表面からの塗布含浸で必要量を付与することができますが、水溶液の塗布できる量には施工上の限界があり、塩化物イオンの多い時には対応できません。また、コンクリートの含水率が高い場合にも水溶液の塗布は困難となります。亜硝酸リチウムを高添加したセメントペースト、セメントモルタルは必要量をペースト、モルタル内に蓄え逐次コンクリート内に亜硝酸イオンを拡散していきますので、塩分量が多い場合や含水率が高い場合にも適用できます。また、ペースト、モルタルは素地調整を兼ねることができますので、工程を簡略化することができます。
 そのほか、亜硝酸リチウムには防錆機能に限らずアルカリ骨材反応膨張抑制効果があり、高添加したセメントペースト、セメントモルタルは中性化抑制、塩化物イオンの侵入抑制等に被覆材として一級の性能を有しています。

ポリマーセメント厚さと中性化の関係について

Q:コンクリート構図物の中性化対策に表面被覆工をポリマーセメントモルタルで考えています。各メーカーによって補修厚さが様々です。中性化度合いと被覆材の厚さで参考になるものはありませんか。
回答者:田島ルーフィング株式会社 福田杉夫開発部長
A:コンクリート構造物の中性化による劣化は、中性化が鉄筋位置まで進行し、鉄筋が腐食することにより生じます。これに対しては、亜硝酸イオンが鉄筋の不働態被膜を再生し、鉄筋の腐食を抑制します。これらは、フォーラムの説明とおりです。
また、中性化が進行した鉄筋コンクリート構造物に対し、その後の中性化進行を抑制する場合、ポリマーセメント系の表面被覆工法を用いることがありますが、一般的に中性化抑制効果は高くないと言われています。
但し、亜硝酸リチウムを高濃度に添加したPCMは、中性化したコンクリート構造物に対し、優れた中性化抑制効果の結果が示されています。

中性化したコンクリートの補修工法に関する研究:コンクリート工学年次論文集、Vol.19、NO.1、pp.1153〜1158

上記の亜硝酸リチウムを高濃度に添加したPCMの中性化進行抑制効果が高い機構を推定しています。

亜硝酸塩含有モルタルの中性化抑制効果:セメント・コンクリート論文集、NO.45、pp.550〜555

また。亜硝酸リチウムを添加したPCMは、長期暴露後の中性化抑制効果に対する論文があり、優れた効果が示されています。参考に昨年の建築学会学術講演会の資料を添付。

油圧式内部圧入工の注入量管理について

Q:油圧注入器で施工する場合注入量が偏らないのか?
回答者:江良技術委員長
A:油圧式圧入装置で施工する場合、全ての圧入孔で30分間の試験加圧注入を行い、圧入速度を記録します。
その圧入速度と設計圧入量から圧入に要する時間を算出して管理します。
すなわち、全ての圧入孔を一斉に圧入スタートし、全て同じ量の圧入を行うのですが、圧入が完了する時間はそれぞれ異なるということです。
ここが圧入工の施工管理の核となります。
回答日:2015年7月1日

ASRの試験方法について

Q:残存膨張試験(JCI-DD2)による補修効果の検証(技術資料ver.4.0 P56)について、圧縮強度、静弾性試験結果も測定していれば教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:実際に施工した構造物で圧縮強度、静弾性係数を測定した事例はありませんが、圧入後の耐荷性能に対して検討した論文がありますので添付します。

内部圧入工法での削孔の耐荷性能へ与える影響について

Q:内部圧入工法で削孔による躯体コンクリートの耐力は問題ないでしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:内部圧入の削孔が構造物の耐荷性能へ与える影響について検討した論文がありますのでお送りします。
耐荷性能の低下はなく、問題ないとの見解です。
回答日:2015年7月1日

表面含浸工の耐用年数について

Q:シラン系やケイ酸系の表面含浸工の耐用年数が7〜10年とありますが、その根拠は?
回答者:江良技術委員長
A:残念ながら根拠、出典となる文献等があるわけではございません。
塩害や中性化の劣化進行度合いにより、再劣化までの期間は大きく異なります。
また、耐用年数には「補修後の劣化進行により再補修」から決まる期間と「純粋な材料寿命による再補修」から決まる期間とがります。
なかなか一概に言えないのが現状です。
7〜10年の期間は経験値による表現とお考えください。

断面修復工の深さについて

Q:断面修復工について、最低の深さはどれくらいでしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:あまり薄い修復厚さにしますと、材料はく離の原因となりますので好ましくありません。
コンクリートメンテナンス協会の標準歩掛では、最小はつり深さを30mmとしています。
30mmの厚さがあれば問題ないと考えます。

亜硝酸リチウムの圧入における注入量について

Q:亜硝酸リチウムの圧入で注入量はどれくらいの量が注入可能でしょうか?
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウム内部圧入によりコンクリート中に圧入可能な亜硝酸リチウム水溶液の量は、最大で40kg/m3程度と考えています。
これは、塩害では塩化物イオン10kg/m3、ASRではアルカリ総量12kg/m3程度に相当する数値です。

亜硝酸リチウム圧入工法の再劣化について

Q:モル比1.0で圧入して、更なる塩分が入らない場合、再劣化しますか?
回答者:江良技術委員長
A:塩化物イオンの追加供給がなければ、圧入後のコンクリートに再劣化は想定しません。

実際には改良していない範囲への亜硝酸イオンの拡散は生じます。しかし、そのイオン拡散は圧入による浸透に比べて非常に緩やかなものです。
さらに、内部圧入工では鉄筋防錆に必要な最低限の亜硝酸イオン量に30%の施工余裕をみているため、実際にはかなり多めの量が圧入されます。その余裕は将来的な拡散による減少量もカバーしうる量としています。

亜硝酸リチウム圧入工法の留意点

Q:亜硝酸リチウム圧入工法の設計上の留意点は?
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウム圧入工法の設計上の留意点は以下のような事項があります。
.灰鵐リート実強度が40N/mm2 以上のような高強度では適用が困難なため、事前の強度確認が必要
対象構造物の含水状態を把握する必要がある。
対象構造物の含水率が高い(干満の影響を受けるなど)場合では圧入日数が長期化する場合がある
C羔床版橋のようにボイドなどが部材内にある場合、そこへ漏れ出した場合に対処不能となるため適用できない。

あとはケースバイケースですので、ぜひ具体的にご相談ください。

亜硝酸リチウムの必要量の安全率

Q:亜硝酸リチウムの必要量はどれくらいの余裕を考えていますか?
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウム内部圧入工法における設計注入量は、
供試体実験で確認した最低限の必要量に対し、30%の余裕をもって設定しています。
これは、施工誤差、漏れ、機械内の残量などを考慮した値です。
これらの余裕を考慮した結果が、
ASR:Li/NAモル比=0.8となる亜硝酸リチウム量
塩害:NO2/Clモル比=1.0となる亜硝酸リチウム量
として設計注入量と定められています。

既に発生している錆について

Q:亜硝酸リチウムで不導体被膜が再生されることは分かりましたが、既に発生している錆はどうなりますか?
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸イオンの効果は不動態皮膜の再生のみであり、腐食生成物として既に存在する錆には物理的な影響を与えません。
よって、施工後も既に生成している錆はそのまま残ります。
ただ、その錆がさらに進展することがなくなる、ということです。
不動態皮膜の生成、再生は化学的な反応であり、物理的に生じている錆に邪魔されることなくその箇所でのアノード反応、カソード反応は不活性になると考えられます。

亜硝酸リチウムの必要量の算定について

Q:なぜ、直接反応する、鉄イオンの量によって亜硝酸イオンの量を決める方法ではないのか?
鉄イオン量のことが、計算等に全く関係なく、塩化物イオンとの関係しか検討されないのはなぜか?
回答者:田島ルーフィング株式会社 福田杉夫開発部長
A:亜硝酸イオンが、鉄筋付近に存在すると鉄は安定化されます。
それは、ごく表面で起こる反応であり、それに必要な亜硝酸イオンは少量となります。
そのため、鉄筋の防錆に必要な亜硝酸イオン量は、鉄イオンの量との関係でなく、鉄をイオン化させ、発生させる塩化物イオン量との関係と
なります。
その関係をみることにより、塩化物イオンにより鉄がイオン化される量を押え、鉄を安定化させる作用があります。

亜硝酸リチウム混入断面修復材について

Q:断面修復材に亜硝酸リチウムを混入するとマクロセル腐食は起きないと実証できますか?
回答者:田島ルーフィング株式会社 福田杉夫開発部長
A:この試験は、塩化物イオンを含有したモルタルの中央部に亜硝酸イオンを高濃度の添加したモルタル(RVモルタル)打ち継いています。
この条件が最もマクロセル腐食が発生しやすい状況です。
しかし、中央の亜硝酸イオンを高濃度に添加したモルタルから、塩分を含んだモルタル部に亜硝酸イオンが拡散し、塩化物イオンが存在する個所も防錆効果を発揮していることを示しています。
亜硝酸イオンは濃度拡散しますので、濃度勾配を作り、マクロセル腐食が発生する環境が生じません。
また、ポリマーセメントモルタルの場合は、塩化物イオンを含んだモルタル部から塩化物イオンが拡散し、腐食が生じ始めていることも示しています。

圧入工法の品質管理について

Q:呈色試験で管理できませんか?
回答者:江良技術委員長
A:亜硝酸リチウムの浸透状況を確認するために、現場で呈色反応試験を行った事例があります。
添付の施工報告論文に記載がありますのでご参照ください。

亜硝酸リチウムの使用料の根拠について

Q:断面修復部のASR抑制および中性化対策として,亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルを考えております。
最新の含浸材・断面修復材それぞれの使用量と使用量根拠の整理についてご教授いただければと思います。
回答者:江良技術委員長
A:含浸材、断面修復材ともに、定量的に使用量を設定できるのは塩害補修の場合です。
ともに塩化物イオン濃度に応じてモル比1.0となる量の亜硝酸リチウム量と定めます。

中性化の場合は、中性化と亜硝酸リチウム必要量との関係が明確にはなっていませんので、みなし規定として塩害で最初に鉄筋腐食環境となる腐食発生限界塩化物イオン濃度(例えば2.0kg/m3)に対する亜硝酸リチウム量を投入します。
ASRの場合は標準塗布量の設定のみとなり、明確な数値根拠はありません。
(アルカリ総量に応じて使用量を決めようとしても、浸透させる範囲が表層部のみとなりますので十分な効果が期待できないため)

ご検討中の物件が中性化とASRであれば、表面含浸および断面修復は塩化物イオン2.0kg/m3に対する亜硝酸リチウム量で定めるのがよいと思います。

亜硝酸リチウムの歴史

Q:亜硝酸リチウムは古くから開発されていますが、近年になって話題になっているのはなぜですが?
回答者:江良技術委員長
A:おっしゃるとおり、亜硝酸イオンおよびリチウムイオンの劣化抑制メカニズムの解明からずいぶん時間がたっています。
近年になってようやく盛んに使用されるようになった理由は、内部圧入工の開発の影響が大きいと考えます。

亜硝酸リチウムを用いたひび割れ注入、表面被覆は20年前くらいから実用化されていたのですが、このような工法だけで塩害、ASRを根本的に抑制することは困難です。
ところがその当時は、「亜硝酸リチウムを使用したのに再劣化した」という評価しかされなかったため、それほど広がらなかったようです。

しかし、内部圧入工が開発されたことにより根本的な塩害、ASR抑制が可能となり、その工法が本格的に広がってきたのが平成23年度あたりからです。
そして、内部圧入と同時にひび割れ注入、被覆、断面修復も見直され、そして表面含浸としての使い方もできるようになりました。
これらによって、劣化程度や求める補修効果に応じて工法を選定できるようになりました。

亜硝酸リチウム併用型ケイ酸系表面含浸工法(プロコンガードシステム)の環境安全性

Q:[質問1]主桁に含浸材を塗布した場合、桁に雨が降りかかって、そのしずくが川に流れ込むと、海苔の養殖に影響が出ないか?
[質問2](Q1の質問に関連して)桁に雨が降りかかっても、含浸材成分が川に流れ込まなくなるまでにはどれくらい時間がかかるか。
回答者:江良技術委員長
A:・亜硝酸リチウムおよびケイ酸リチウムのうち、環境負荷が懸念されるとすれば「亜硝酸」です。
それ以外のリチウム、ケイ素、ナトリウムに関しては影響はありません。
・プロコンガードシステムの施工は、1層目として亜硝酸リチウム系含浸材を塗布し、2日程度の養生期間を置いた後、2層目としてケイ酸リチウム系含浸材を塗布します。
・ケイ酸リチウム系含浸材は塗布後24時間以内に乾燥固化しますので、1層目の亜硝酸リチウムの溶出防止層として機能します。
・従いまして、,里桓遡笋紡个靴討蓮▲廛蹈灰鵐ードシステム施工完了後はしずくが川に流れ込むことはありません。
・△里桓遡笋紡个靴討蓮1層目の亜硝酸リチウムが川に流れ込む可能性があるのは2層目のケイ酸リチウム乾燥固化完了までの期間のみです。
回答日:2016年7月10日

亜硝酸リチウム併用型ケイ酸系表面含浸工法(プロコンガードシステム)の環境安全性

Q:発注者から、含浸材の桁下河川への流出防止対策として吊足場のシート養生は当然として、さらなる安全対策はありますか?
回答者:江良技術委員長
A:これまでの類似環境での施工実績においては、飛散防止のシート養生を行っています。それ以上の対応策は要求されたことがありませんでした。
・まずは流出の可能性のある1層目亜硝酸リチウム塗布後の養生期間に雨にあたらないことが重要ですので、天候のよい期間を選んで施工を行うことが重要です。
・亜硝酸リチウムの飛散を防止するために、施工は「噴霧」とせず、「ローラー塗布」としていることも対策のひとつです。
・また、容器の転倒による流出を避けるという意味では、容器設置、計量作業等をプラ舟(トロ舟)の上で行い、容器転倒時の流出を防ぐのが有効だと思います。
回答日:2016年7月10日

リハビリシリンダー工法の先行注入(亜硝酸リチウム)の使用料について

Q:先行注入するプロコン40の使用量と決定根拠について質もです。
→必要なら2回に分け浸透させ,大量に入れることができますか?
→少なくて良いのなら,25%水溶液でも可能ですか?
→決定根拠を明確にしておきたいと考えております.
(設計サイドとしては,費用や工数にとらわれず,整理したいと考えております)
回答者:江良技術委員長
A:リハビリシリンダー工法の先行注入は浸透拡散型亜硝酸リチウムにて行います。浸透拡散型亜硝酸リチウムは着色剤を入れないで、不純物を取り除き、浸透しやすいように物性を変えております。40%水溶液のプロコン40のみ商品化されています。したがって、着色された25%水溶液は使用できません。
注入量は現時点で「ひび割れ幅×深さ×密度×ロス率」で計算しているだけで、塩分量に応じた設計にはしておりません。
これはひび割れ注入工法という一般的な施工内容として汎用性を持たせるためです。
ここにモル比に応じて現場毎に注入量を変えたり複数回注入を手順をいれると、施工難易度と工事費が上がってしまいます。
そこで、ロス率を30%もたせ、ある程度の状況には対応できるように設定しています。定量的な亜硝酸リチウムの必要量は、表面保護材もしくは圧入工法で確保しています。

将来的には、塩分量に応じて必要となる亜硝酸リチウムを注入するような高レベルのひび割れ注入工法の設定も必要かもしれません。
回答日:2016年6月27日

リハビリシリンダー工法における超微粒子セメント系注入材について

Q:注入の際は,水等と混ぜて注入するのでしょうか?
回答者:河原健児技術委員
A:超微粒子セメント系注入材はプレミックスセメントの粉体として現場に搬入されます。

それを規定量の水と混入して注入します。
標準配合はアーマ#600を2.5kgに対し、水を1.7kgです。
回答日:2016年6月27日

歩掛り根拠について

Q:ひび割れ注入工法(リハビリシリンダー工法)、表面含浸工法(プロコンガードシステム)、表面被覆工法(リハビリ被覆工法)それぞれの歩掛りと歩掛り根拠を教えてください。
回答者:峯松積算委員長
A:1, ひび割れ補修工(低圧注入工法)
1) 注入材の基準量(m当り/kg、ロス率)
2) シール材の基準量(m当りkg、ロス率)
※ 数量算定資料(カタログ)等が有れば、提供をお願いします。
→参考資料1をご確認ください。資料中にも記載しておりますがロス率等は協会HPでもご確認いただけますのでご利用ください。
http://www.j-cma.jp/?cn=102412

2, 表面含浸工法の工事歩掛(10m2当り)
1)下地処理(積算歩掛-表面被覆工 塗装工の下地処理で良いか)
→国交省歩掛りは適用範囲外となります。協会歩掛りを設定しております。
2) 亜硝酸リチウム系表面含浸材(0.3kg/m2)の工事歩掛、材料ロス率
3) ケイ酸リチウム系表面含浸材(0.1kg/m2)の工事歩掛、材料ロス率
→2)、3)はプロコンガードシステム(NETIS:CG-150013-a)として歩掛りを設定しております。参考資料2をご確認ください。

3, 表面被覆工の工事歩掛(10m2当り)
1)下地処理(積算歩掛-表面被覆工 塗装工の下地処理で良いか)
→国交省歩掛りは適用範囲外となります。協会歩掛りを設定しております。
2) 亜硝酸リチウム系表面含浸材(0.3kg/m2)の工事歩掛、材料ロス率
3) 亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタル(2mm)の工事歩掛、材料ロス率、H26単価
4) 高分子系浸透性防水材(0.25kg/m2)の工事歩掛、材料ロス率、H26単価
→2)、3)、4)につきましては参考資料2をご確認ください。材料単価はH26も同じです。

亜硝酸リチウム工法の採用の考え方

Q:ASRや塩害で進行性のあるものに対して抑制するのは、 銑△旅法の適用が効果的で、進行性の低いASRや床版などでかぶりが小さく損傷が顕著化していない塩害対策などに、ァ銑Δ良縮鵡法を適用する。という理解でよろしいのでしょうか。また、用途により、 銑す法の表面処理として、ァ銑Δ鯀箸濆腓錣擦襪箸いν解でよいのでしょうか。
ここに、
〔圧式高圧注入「ASRリチウム工法」
簡易型高圧注入「リハビリカプセル工法」
ひびわれ低圧入「リハビリシリンダー工法」
っ婆冥ど工法「リハビリ断面修復工法」
ド縮免鑛す法「リハビリ被覆工法」
ι縮夢淇珊法「プロコンガードシステム」
回答者:江良技術委員長
A:・基本的には上記の内容通りのご理解でよろしいかと思います。
・ ↓△榔害、ASRの根本的な対策であり、進行性の高い劣化に対して適用性が高い工法です。
・ァ↓Δ鷲縮未ら内部への亜硝酸リチウム浸透深さと浸透に要する時間に制約がありますので、どうしても進行性の低い劣化の場合やかぶりが小さく損傷が顕在化していない場合に適用性が高い工法となります。
・ひび割れがあれば、浮きはく離や鉄筋露出があればい鮃圓ι要がありますが、それだけでは不十分であり、面的な劣化因子遮断も併用する必要があります。したがってァ↓Δ鯀箸濆腓錣擦泙后
・同様に ↓△良縮婿転紊欧砲皚ァ↓Δ鯤四僂垢襪海箸多いですが、最近はΔ離院璽垢増えています。

亜硝酸リチウムの植物に与える影響について

Q:亜硝酸リチウム40%水溶液が植物にかかり枯れました。理由を教えてください。
回答者:江良技術委員長 堀孝廣技術顧問
A:亜硝酸リチウムが植物の生育に与える影響について、幾つか研究されていますがその殆どが低濃度(微量成分)に関するもので、その概要報告は別紙(添付ファイル)に記載されています。

一方、高濃度亜硝酸リチウム溶液に触れた植物が枯れる原因について、過去に報告されている文献はありません。亜硝酸もリチウムも微量成分として存在する場合には、植物を枯死させることはありません。そこで、高濃度であるがために起きた現象と考えられます。

高濃度の電解質(塩)が、植物に与える影響として塩害と肥料焼けが良く知られています。これらは似たような生理機構で植物の生育を阻害、或いは枯死させます。

日本植物生理学会の『植物Q&A 塩害について』では以下のように説明されています。
『・・・細胞外の塩分濃度の上昇は、細胞内外の浸透圧差の減少につながり、細胞の生育にとって最も重要な水の吸収を阻害します。水は、植物細胞膜を介した浸透圧差に従って細胞内に入ってくることが知られていますが、細胞外の塩分濃度が高くなると、その差が小さくなるため必要なだけの水が入って来なくなるということになります。』

また、肥料やけについては、《花を植えようドットコム > 花を植えるための基礎知識 > 肥料の与え方で決まる植物の生育 > 肥料焼け》では、以下のように説明されています。
『・・・これは肥料の成分が含まれる水溶液の濃度が高くなりすぎてしまった為、浸透圧の関係で植物の根の水分が奪われて、根が傷んだり根腐れしてしまうことを指します。』

亜硝酸リチウムの保湿性が高いことはよく知られています。亜硝酸リチウムの高濃度水溶液に触れた葉や根からは、細胞中の水分が亜硝酸リチウムの側に移行し、葉や根は水分不足となり植物の生育阻害或いは枯死を引き起こされるものと考えられます。

亜硝酸は自然界では硝酸やアンモニアなど窒素成分に分解していき、痕跡を残しません。リチウムは希釈されていき炭酸リチウムなどの安定した状態となります。従って亜硝酸リチウムが、長期にわたり環境を汚染することはないと考えます。

回答日:2016年9月1日

表面保護工法と表面含浸工法の使い分けについて

Q:表面保護工法(リハビリ被覆工法)では塗膜材(アイゾール)、表面含浸工法(プロコンガードシステム)では含浸材(ケイ酸リチウム系)と、双方ともに適用の目的が同一ですが、工法の使い分けを教えてください。
回答者:江良技術委員長
A:表面被覆工法(リハビリ被覆工法)は「亜硝酸リチウム系含浸材」+「亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントペースト」+「高分子系浸透性防水材(アイゾールEX)」の3層塗布の表面被覆工法です。ポリマーセメントペーストの上塗りにはけい酸リチウムは使用しません。リハビリ被覆工法は厚さのあるペーストにも亜硝酸リチウムを多く含みますので亜硝酸リチウムの効果は含浸と比較してkえいか大きいです。
表面含浸工法(プロコンガードシステム)は「亜硝酸リチウム系含浸材」+「けい酸リチウム系含浸材」の2層塗布と表面含浸工法です。表面含浸ですので無色透明でなければならず、アイゾールは使用しません。外観を変えませんので経過観察が容易です。


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