コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム、コンクリート構造物の補修・補強材料情報
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(1)ASRとは

図2-28 ASRによる劣化
図2-28 ASRによる劣化
 従来,アルカリ骨材反応は,骨材中のシリカ成分とアルカリが反応するアルカリシリカ反応(以下,ASRと呼ぶ)と,ドロマイト質石灰石とアルカリが反応するアルカリ炭酸塩反応との2種類があると言われていましたが,アルカリ炭酸塩反応とされてきた反応も実際には石灰石中の微晶質シリカに起因するASRであることが明らかになったため,本書ではASRを対象として記述します.
 コンクリートは本来,高いアルカリ性を有しています.そのアルカリ分がコンクリートに使用された反応性骨材中のある種の反応成分と化学反応を起こし,反応生成物であるアルカリシリカゲルを生成します.アルカリシリカゲルは強力な吸水膨張性をもっており,コンクリート外部からの水分供給により膨張します.このアルカリシリカゲルの膨張によってコンクリート内の組織に内部応力が発生し,反応性骨材周囲のセメントペーストを破壊します.時間の経過に伴ってASRが進行すると,反応性骨材の周囲に発生した微細なひび割れが進展し,やがてコンクリート構造物の表面に巨視的なひび割れが発生します.これがASRによるコンクリートの劣化メカニズムです.
 ASR劣化の進行過程は,第1ステージ『骨材中のシリカ鉱物(nSiO2)とコンクリート中のアルカリ金属との化学反応によってアルカリシリカゲル(Na2O・nSiO2)が形成される過程』と,第2ステージ『アルカリシリカゲル(Na2O・nSiO2)が細孔溶液を吸収して膨張する物理化学的な過程』に分離することができます.それらを模式図と化学式で表すと図2-29のようになります.
図2-29 ASR劣化の進行過程
図2-29 ASR劣化の進行過程
 ASRの進行過程の反応機構をみると,十分な水,十分なアルカリ金属イオン,および骨材中の反応性シリカの存在,という3つの条件が揃ったときにASRによるコンクリートの劣化が生じるということが理解できます.ここで,アルカリシリカゲルの生成は,全ての種類の骨材において発生するのではなく,ある種の不安定な鉱物(シリカ鉱物など)を含む反応性骨材が混入されている場合に発生する可能性があります.わが国で確認されている反応性骨材の主なものとして,火山岩が起源の骨材(安山岩,流紋岩など)や堆積岩が起源の骨材(チャート,砂岩,頁岩など)などが挙げられます.


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